ふと目を覚ますと、栄子が目の前にいた
「あ、起きた?」
ガバッとベッドから起き上がる
「しょっ勝負は・・・・!?」
「ああ、あれなら無しになったらしいよ」
「……………………無し?」
思わず声が裏返しそうになる
「うん、まあ結局二人とも同時ゴールしてたみたいだからどっちにしても無しじゃない?」
ほっと胸を撫で下ろす
「それより・・・もう大丈夫なの?」
「あ・・・うん。それより、もう紅白戦終わっちゃった…?」
「ううん、今ちょうど長距離走終わったからダッシュで来たんだ。よかった、間に合って」
「そっか・・」
「今から風間くん、学年リレー出るけど見に行かない?起きれる?」
「だっ大丈夫!!行く!!」
二人はグラウンドへ向かうと、ギャラリーの多さに圧倒されそうになった
「風間くん本当に運動神経いいんだね~…不可能なんてなさそう」
栄子が感心してうんうんと頷いていると、横で主人公は
「そんなことないらしいよ。サッカーも、頑張って練習してうまくなったらしいし・・。いつも休憩中も自主練してるし・・影で努力するタイプだよ・・風間くんは」
と、小さく呟いた
栄子はその言葉に少し意外そうな顔をした後、ほほえんだ
「・・・・本当に○○がずっと見てきたのは風間くんなんだね。」
「え・・・?」
「夏の公式戦で、神坂先輩が怪我したの覚えてる?」
「う・・うん。あの時確か栄子も一緒に病院行ったよね・・?」
「うん。そこで私、神坂先輩に思い切って告白したの」
「うん・・・
・・・えぇっ!?」
主人公は思わず後ずさりしてしまった
「ごめんね、すぐ言えなくて・・。」
「ううん・・。私こそ気づかなくてごめん・・・
でも・・試合の次の日、すごくテンション低かったし、今日も神坂先輩って名前出したとき変な空気になったから・・少し不思議には感じてたんだけど・・」
「まあ今はだいぶ吹っ切れてるんだけどね!!」
「そうなんだ・・・いつから・・?」
首を傾げ、栄子を見つめる主人公を見て、栄子は柔らかい口調で答えた
「えー・・・いつだろう。まあ勧誘された時からカッコいいとは言ってたじゃん?
でもなあ・・・○○が風間くんと二人で帰った時くらいかな?」
「私・・・?」
「○○は鈍感だから・・・神坂先輩の気持ちに気づかなかったでしょ?」
その言葉に、思考回路停止になる主人公
「え・・・・・!?どういうこと・・・・!?え!?神坂先輩が・・・・・!?」
頭を抱え慌てていると、栄子が主人公の両肩をガシッと掴んだ
「○○落ち着いて!!(笑)」
『ただいまより、学年リレーを始めます。
1年生
1レース 田中
2レース 日向
3レース 杉崎
4レース ・・・』
「あっ始まるよ!!もっと前いこ!!」
栄子は主人公の手を引っ張り、ギャラリーの中をかき分けレースの見やすい場所まで行った
「座ろっか」
「うん・・・・・」
「さっきのことだけどね、私、もう先輩のことなんとも思ってないよ!!それに・・・新しい恋も始めよっかなって・・・」
「新しい恋っっ!?」
大きな声を出し周りの人たちにギロっとにらまれてしまい小さくなる主人公
「まあ、いずれ言うから、ほら、応援しよ?」
「えぇ~気になるなあ・・・・(笑)」
渋々納得して、二人はリレーを見ることにした
順番を見てる限り、大翔はアンカーを走るようで、少しかったるそうに頭を掻きながら順番を待っていた
「わ、風間くんアンカーだよ!!」
「ほ、ほんとだ」
興奮気味に前屈みになってしまう
『位置について
用意………』
パァン──…… とピストルが校内中に鳴り響き、勢いよく日向がトップに躍り出た
「いっけーいけいけいっぺー!!」
「キャアー!!日向くーん!!」
女子の歓声の多さに驚く二人
中には違うクラスの子まで日向を応援している
ワァァァァァ
「やったー!!今のところ一位!!」
いい感じでトップをキープしていた
しかし
「あっ!!!!!!!!!!!!!」
アンカーまであと一人・・というところで後藤がバトンを落としてしまった
「きゃあ!!!!」
「なにしてんのよ後藤~!!!」
「早く拾いなさいよ~!!」
後藤はもたもたしながらバトンを拾うが、その間にもどんどん抜かされてしまう
後藤は申し訳なさそうに大翔へ向かって走る
大翔はリードしながら後藤を待っている
「風間、すまん」
バトンを受け取る瞬間
大翔はニッと笑う
「任せろ後藤」
受け取ると風間は勢いよく走り出した
「きゃあああぁ─っ!!!!!!」
「風間くぅーん!!」
ハラハラして見守っていたが、主人公は思わず大声を出してしまう
「かざまくんいけーっ!!!!!!」
その言葉が届いたのか、風間は次々と追い抜かしていく
「やっべ、風間やべーよ!!!!!!」
「いけいけ~!!」
ワァァァァァ─────────!!っとみんなが興奮する
ついに最後の一人を抜かす
そして
大翔は満足そうにバトンを持つ右手を上げながらゴールのテープをきった
ウワァァァァァァァァァァァァア───────!!!!!!!!!!
割れんばかりの拍手が鳴り止まないほど校内は興奮していた
大翔が大勢の生徒に囲まれながらこちらへ歩いてくる
「あ・・・・・」
主人公は少し嬉しそうに笑うと、大翔は沙也加に腕を組まれ、そのまま二人で主人公の横をすれ違った
(そっか・・・・・・・そうだ
風間くんが私のところに来るわけがないじゃない。
私・・・・一人で勘違いして・・・何がしたいの・・・)
主人公は複雑な気持ちで、大翔と沙也加の後ろ姿を見つめていた───────────
「あ、起きた?」
ガバッとベッドから起き上がる
「しょっ勝負は・・・・!?」
「ああ、あれなら無しになったらしいよ」
「……………………無し?」
思わず声が裏返しそうになる
「うん、まあ結局二人とも同時ゴールしてたみたいだからどっちにしても無しじゃない?」
ほっと胸を撫で下ろす
「それより・・・もう大丈夫なの?」
「あ・・・うん。それより、もう紅白戦終わっちゃった…?」
「ううん、今ちょうど長距離走終わったからダッシュで来たんだ。よかった、間に合って」
「そっか・・」
「今から風間くん、学年リレー出るけど見に行かない?起きれる?」
「だっ大丈夫!!行く!!」
二人はグラウンドへ向かうと、ギャラリーの多さに圧倒されそうになった
「風間くん本当に運動神経いいんだね~…不可能なんてなさそう」
栄子が感心してうんうんと頷いていると、横で主人公は
「そんなことないらしいよ。サッカーも、頑張って練習してうまくなったらしいし・・。いつも休憩中も自主練してるし・・影で努力するタイプだよ・・風間くんは」
と、小さく呟いた
栄子はその言葉に少し意外そうな顔をした後、ほほえんだ
「・・・・本当に○○がずっと見てきたのは風間くんなんだね。」
「え・・・?」
「夏の公式戦で、神坂先輩が怪我したの覚えてる?」
「う・・うん。あの時確か栄子も一緒に病院行ったよね・・?」
「うん。そこで私、神坂先輩に思い切って告白したの」
「うん・・・
・・・えぇっ!?」
主人公は思わず後ずさりしてしまった
「ごめんね、すぐ言えなくて・・。」
「ううん・・。私こそ気づかなくてごめん・・・
でも・・試合の次の日、すごくテンション低かったし、今日も神坂先輩って名前出したとき変な空気になったから・・少し不思議には感じてたんだけど・・」
「まあ今はだいぶ吹っ切れてるんだけどね!!」
「そうなんだ・・・いつから・・?」
首を傾げ、栄子を見つめる主人公を見て、栄子は柔らかい口調で答えた
「えー・・・いつだろう。まあ勧誘された時からカッコいいとは言ってたじゃん?
でもなあ・・・○○が風間くんと二人で帰った時くらいかな?」
「私・・・?」
「○○は鈍感だから・・・神坂先輩の気持ちに気づかなかったでしょ?」
その言葉に、思考回路停止になる主人公
「え・・・・・!?どういうこと・・・・!?え!?神坂先輩が・・・・・!?」
頭を抱え慌てていると、栄子が主人公の両肩をガシッと掴んだ
「○○落ち着いて!!(笑)」
『ただいまより、学年リレーを始めます。
1年生
1レース 田中
2レース 日向
3レース 杉崎
4レース ・・・』
「あっ始まるよ!!もっと前いこ!!」
栄子は主人公の手を引っ張り、ギャラリーの中をかき分けレースの見やすい場所まで行った
「座ろっか」
「うん・・・・・」
「さっきのことだけどね、私、もう先輩のことなんとも思ってないよ!!それに・・・新しい恋も始めよっかなって・・・」
「新しい恋っっ!?」
大きな声を出し周りの人たちにギロっとにらまれてしまい小さくなる主人公
「まあ、いずれ言うから、ほら、応援しよ?」
「えぇ~気になるなあ・・・・(笑)」
渋々納得して、二人はリレーを見ることにした
順番を見てる限り、大翔はアンカーを走るようで、少しかったるそうに頭を掻きながら順番を待っていた
「わ、風間くんアンカーだよ!!」
「ほ、ほんとだ」
興奮気味に前屈みになってしまう
『位置について
用意………』
パァン──…… とピストルが校内中に鳴り響き、勢いよく日向がトップに躍り出た
「いっけーいけいけいっぺー!!」
「キャアー!!日向くーん!!」
女子の歓声の多さに驚く二人
中には違うクラスの子まで日向を応援している
ワァァァァァ
「やったー!!今のところ一位!!」
いい感じでトップをキープしていた
しかし
「あっ!!!!!!!!!!!!!」
アンカーまであと一人・・というところで後藤がバトンを落としてしまった
「きゃあ!!!!」
「なにしてんのよ後藤~!!!」
「早く拾いなさいよ~!!」
後藤はもたもたしながらバトンを拾うが、その間にもどんどん抜かされてしまう
後藤は申し訳なさそうに大翔へ向かって走る
大翔はリードしながら後藤を待っている
「風間、すまん」
バトンを受け取る瞬間
大翔はニッと笑う
「任せろ後藤」
受け取ると風間は勢いよく走り出した
「きゃあああぁ─っ!!!!!!」
「風間くぅーん!!」
ハラハラして見守っていたが、主人公は思わず大声を出してしまう
「かざまくんいけーっ!!!!!!」
その言葉が届いたのか、風間は次々と追い抜かしていく
「やっべ、風間やべーよ!!!!!!」
「いけいけ~!!」
ワァァァァァ─────────!!っとみんなが興奮する
ついに最後の一人を抜かす
そして
大翔は満足そうにバトンを持つ右手を上げながらゴールのテープをきった
ウワァァァァァァァァァァァァア───────!!!!!!!!!!
割れんばかりの拍手が鳴り止まないほど校内は興奮していた
大翔が大勢の生徒に囲まれながらこちらへ歩いてくる
「あ・・・・・」
主人公は少し嬉しそうに笑うと、大翔は沙也加に腕を組まれ、そのまま二人で主人公の横をすれ違った
(そっか・・・・・・・そうだ
風間くんが私のところに来るわけがないじゃない。
私・・・・一人で勘違いして・・・何がしたいの・・・)
主人公は複雑な気持ちで、大翔と沙也加の後ろ姿を見つめていた───────────