★まいにち楽読(らくどく)★ ~TMstarの読書ブログ~ -616ページ目

BITS 特別セミナー 安藤忠雄 「10年後の日本から環境を考える」を聞いて

書評ブログとして始めたのに、いきなりセミナーの感想かい!って言われそうですが

今月の3日~5日にかけてANAコンチネンタルホテルで開催された、「U&U BITS 2008 」の特別講演を聞きにいったので、気になった点をメモメモしておきます。


まずは安藤忠雄さんについて

建築家。東京大学名誉教授

1941年大阪生まれ。独学で建築を学び、1969年に安藤忠雄建築研究所を設立。 社会的な通念、慣習等既成の枠組みと境界を越え、新しい世界を求めて前を向き、闘っている。 2008年3月、東京大学赤門横で「東京大学情報学環福武ホール」が完成。2008年6月14日に地下30メートルの 「東急東横線渋谷駅」開業予定。また、2016年東京オリンピックの招致活動の総監督を務め、東京の都市整備に取り組んでいる。 代表作に、「光の教会」、「地中美術館」、「同潤会青山アパート建替計画(表参道ヒルズ)」、「パラッツォ・グラッシ」など。 瀬戸内海の破壊された自然を回復させるため、中坊公平氏と共に「瀬戸内オリーブ基金」を2000年に設立。

(「BITS 2008」パンフレットから抜粋)


IT系サラリーマンであるボクが、なぜ安藤忠雄さんの講演を聴きに行ったかというと

ITの世界にはいる前は、建築の世界で働いていて、大学も建築の大学であったこともあって

安藤忠雄さんはある意味あこがれの人でもあったのです。

その人の話を目の前で聞けるとあっては、このチャンスを逃すわけにはいきません!


大阪生まれだけあって、話の中にちょいちょいオモロイことをはさんでくるオッサン(誉め言葉です)でした。

楽しく拝聴させていただきました。


以下【気付きポイント】


明治・大正ごろまでは、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をはじめ、世界の中で日本の評価は高かった。
今はどうであるか?
環境の破壊によって、日本人の感性が鈍く、鈍感になってきている。
これは日本人の意識が「内向き」になってきたことにも起因する。
内向きになることのデメリットは「反グローバル化」


日本人の目標がなくなっている。
戦後は目標があった→いかに豊かになるか、モーレツに考えて生きていた。
今は親がすべてをやってくれるので、子供は考えなくて済むようになった。
親は子を鍛え、子は親から自立し、その中ですばらしい親子関係を築く。


人が物を考える、とは?
感性を磨く、美しいものを見る→美意識の中に生きてきた


仕事は自分で作っていく(考えていく)
「社会の中に夢がない」
自由な発想に社会がストップをかける→「考える自由」
子育ては子供の個性にそって育てる→街作りも同じ
提案すると、手を挙げてくれる人が必ずいる」


コンピュータは人の生活を豊かにしてきたが、考える(知的)能力を落としてしまった。


サミュエル・ウルマン「青春」
青春とは人生のある時期をお言うのではない。青春とは心の持ち方をいう。
勇気、冒険心を持ち続けること。
理想を失ったときに、人は初めて老いる。


頭をやわらかく→敷地を飛び出す→常識を飛び出す→制約を飛び出す
リーダーには勇気がいる
夢も自分が作るもの→現実とのギャップが大きいものほどいい。
その場に行ったらワクワクしたい→その人と仕事をしたらワクワクできる。

企画力→(例)1人しか入れない美術館


日本人は「美術の価値」はわからないが「お金の価値」はわかる
「モネの絵」を見ても「この絵はすばらしい!」と思わなくても、「このモネの絵が○億円する」と知れば「この絵はすばらしい!」と感嘆する。

絵の下に「(この絵)○○○万円」と書いといたらええんちゃう?(笑


都会の子供はモノを育てたことがない→命の大切さが分からない
人を殺す、人を傷つける、いじめる
今の子供達はモノを作ったことがない→スケジュール管理ができない


東急渋谷駅
電車が入ってくると風が吹き抜けから入ってくる、エアコンがついていないCO20(ゼロ)の駅


小さな試みがつながっていくと、東京は変わっていく
東急では路線のすべての斜面を緑化する作業を進めている。
「海の森」をつくり東京から発信、世界の人の手でつくる→「世界の森」
健康的な「世界の日本」を作りたい


世界は日本の魅力を知っているのに、日本は日本の魅力を分かっていない


大切なことは、感性を磨いていくこと