リクエストがあったので、転院について考えてみます。
甲状腺の病気になると、多くの場合、長期にわたる通院が必要になります。慢性甲状腺炎(橋本病)で甲状腺ホルモン剤の内服が開始されれば、生涯内服が必要ということも少なくありません。バセドウ病の治療期間も年単位です。悪性腫瘍の場合、5年で一区切りとしている臓器も多いかと思いますが、甲状腺がんは5年で経過観察終了にはできません。腫瘍の増殖速度がゆっくりなので、生命に危険が及ぶことは少ないのですが、何年たっても再発してしまう可能性があるのです。また、甲状腺全摘されていれば、甲状腺ホルモン剤の内服が生涯必要となります。
長期間通院するわけですから、自分に合った相性の良い担当医を見つけたいものです。しかし自分の担当となった医師に不満があり、転院したくなることもあるでしょう。転院したくなる理由は様々です。説明が一貫していない、あいまい、ほとんど説明がない、態度が威圧的、治療方針に疑問を感じる、担当医と何となく合わないなど、いろいろあるでしょう。
転居などで通院困難になったら、転院をお願いするのは難しいことではないでしょう。また、受診からあまり時間が経過していなくて、他院での意見を聞きたい、より専門性の高い施設に転院したいというのも、それほどハードルは高くないと思います。
言い出しにくいのは、ある程度長期間診てもらっていて、他施設に転院したいという場合でしょうか。転院の切り出し方ですが、担当医に自分の考えをはっきり伝えるべきだと思います。他施設に通院したいことを言うときには、ご家族や友人に勧められたことにしてもいいでしょう。それで怒り出したり、紹介状は書かないとか言われたりしたら、それこそ早く転院したほうがいいです。とはいってもそれがなかなかできないのですよね。一人で切り出すのが難しければ、ご家族に同伴してもらうのもいいでしょう。同じ診療科に複数の医師がいれば、他の医師に相談するという方法もあります。医師を変えることで解決できれば、そのまま通院すればいいでしょう。施設を変えたければ、別の医師に紹介状作成を依頼するのもいいかもしれません。
いろいろな医師がいるとは思いますが、私なら転院理由をはっきり伝えてもらいたいです。人間ですから、誰だって相性の良し悪しは存在します。もちろん私の診察は受けたくないという患者さんもいらっしゃいます。これは人間なのだから仕方ありません。お互いのためにも、転院をためらう必要はないと思います。
転院したいと言われた医師は、なぜそうなったのかを考えるいい機会ですね。