慢性甲状腺炎(橋本病)の患者さんで、ヨウ素摂取をとても気にされる方が結構いらっしゃいます。そこで食品中のヨウ素含有量を調べてみました。

 

 文部科学省のWebページに日本食品標準成分表が掲載されています。可食部100gあたりのヨウ素含有量(単位はマイクログラム)は、

 

おきなわもずく(塩蔵・塩抜き) 140

ほしひじき(ゆで) 960

生わかめ 1600

焼きのり 2100

まこんぶ(素干し) 200000

 

 わかめ100gを食べることはあまりないでしょう。焼きのりを100g食べる人もいません。ヨウ素含有量が桁違いに多いのは昆布ですので、食事からのヨウ素の摂りすぎに気を付けるとしたら、現実的には昆布だけでよいことになります。

 

 また、同成分表には調味料の栄養素も記載されており、可食部100gあたりのヨウ素含有量(単位はマイクログラム)は、

昆布だし 5400

かつお・昆布だし 1500

 

 だそうです。

 

 厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書によると、ヨウ素の摂取量上限は1日あたり3mgとされています。

 

 昆布だしを毎日摂取すると、ヨウ素の摂りすぎになるようです(100gでヨウ素5.4mg)。しかしこのような食生活でも、特に甲状腺機能に異常がなければ、無理に食生活を変える必要はないと思います。少し機能低下気味だと言われている方は、合わせだしにしてみるなど、昆布摂取量を少し控えめにするといいかもしれません。