以前は骨粗鬆症や尿路結石などの特徴的な症状がきっかけで、副甲状腺機能亢進症が見つかるケースが多かったようです。もちろん最近でもこの症状から見つかることがあります。泌尿器科医や整形外科医から紹介されることも多いです。

 

 近年多いのは、血液検査で偶然に高カルシウム血症が見つかるというケースです。血液検査のついでにカルシウム濃度を測定したら、たまたま高かったというものです。この場合、ほとんどが無症状で、高カルシウム血症も軽症なことが多いです。

 

 私個人の印象ですが、人間ドックや健康診断で高カルシウム血症が偶然見つかるというケースは、意外にも少ないようです。おそらく、人間ドックなどの採血項目に、カルシウム値が入っていないのではないでしょうか。また、高カルシウム血症の認識が甘いことも考えられます。血中のカルシウム値は、正常上限をたったの0.1超えていても、高いと認識しなければなりません。もちろん何も病気がないのにカルシウムが軽度高値となる場合もありますが、時間をあけて再検査するか、あるいは血中副甲状腺ホルモン値の測定が必要です。

 

 人間ドックや健康診断の採血項目をご確認ください。意外とカルシウムは測定していないのではないでしょうか(いや、測っているよ、という方が多かったらごめんなさい)。血中のカルシウム値を測定したことがある方、ご自分の結果を確認してみてください。しっかり正常範囲に入っているでしょうか。