悪性腫瘍の甲状腺全摘後、両上の副甲状腺は血流を残してうまく温存、両下は見つけ出して胸鎖乳突筋内に自家移植。悪性腫瘍に対する甲状腺全摘術において、副甲状腺の温存はこのようにできれば完璧です。
しかし、完璧に残ったと判断しても、手術翌日の血中i-PTHは低値でカルシウム値も低い、ということもあります。副甲状腺温存は見た目での判断ですので、ある程度は仕方ありません。
一番心配になるのは、良性疾患の全摘術で、すべての副甲状腺を残せたはずなのに手術翌日の血中i-PTHが低いという場合です。実はすべて切除されてしまったのか、あるいは血流障害で一時的なものなのか、手術直後には判断できません。もしすべて切除されてしまっていたら永続性副甲状腺機能低下症ですから、内服薬の数も増えてしまい、患者さんにも負担になります。