また、ビジネスとは関係ない話。
日本綜合地所が会社更生法手続きを行った。
内定取り消しでマスコミにえらく騒がれた会社である。
マスコミはこの件に限らず、内定取り消しはけしからんとか
派遣労働者を切るのはけしからんとか、
無責任なことばかり言っているように感じる。
会社のトップとしては今の状況というのは本当に
怖いと思う。
少しでも多くの従業員とその家族を守る立場としては
ぎりぎりの決断をする必要がある。
コメンティターきどりの人間が軽々しく「けしからん」
などと言えるレベルの問題ではないのだ。
一度も経営をしたことの無い人間がはなはだ無責任。
大学教授も同じ。机上の空論で従業員が守れるので
あれば、それほど楽なことはない。
理論は失敗しても許されるかもしれないが経営は
一度の失敗が命取りなのである。
より慎重な対応をするのは仕方がない。
日本綜合地所がいつの段階で会社更生法の手続きを
考えたのかは分からないが、
マスコミの無責任な報道のために、
「あの会社は危ないかも?」ということで融資を断られたり、
契約の取り消しがあったかもしれない。
すなわち、マスコミの軽々しい行動のために
今多くの会社が苦しんでいるのかもしれないのだ。
それにより倒れなくても良い会社が倒れることになるかも
しれない。
連鎖倒産がおきるかもしれない。
そしてより多くの従業員が路頭に迷うことになるかもしれない。
更には今後多少景気が良くなっても、企業は今回のように
マスコミに叩かれるのを恐れて、新規採用や派遣労働者の
採用を抑えるかもしれない。
マスコミによって日本の経済回復が遅れる可能性も
否定できない。
ミクロにものごとを捉えるのではなく、マクロに捉えて
本当に何を報道すべきなのかを考えて欲しい。
その責任は本当に重大である。