フィリピンの株式市場が好調な推移を辿っている。代表的な株価指数であるフィリピン証券取引所指数(PSEi)は、2009年63.00.%、2010年37.62%、2011年4.07%、2013年32.95%と4年連続上昇しているが、2013年も非常に強い動きとなっている。

 フィリピンのファンダメンタルズの良好さや持続的な安定成長、対外収支の改善傾向、今後の成長期待、政治的安定などが好感され、株価は上昇基調を辿っている。それらを背景に、3月27日に欧州系有力格付け機関フィッチがフィリピン格付けを投資適格へと引き上げたことで株価上昇に拍車がかかった。

 さらには、米国系有力格付機関スタンダード&プアーズ(S&P)もフィリピン格付けを投資適格へと引き上げたことなどで、5月3日のPSE株価指数は急騰、終値ベース、場中瞬間値ベース双方揃って史上最高値を更新した。終値ベースでは7215.35ポイントに到達、今年28回目、昨年年初から通算で66回目の最高値更新となった。

 5月3日のPSE株価指数終値は昨年末終値から約1403ポイント、率にして24.13%の上昇。年末値で直近のボトムであった2008年末の1,872.85ポイントからは285%上昇(3.85倍)となっている。

 年初から5月3日までのセクター別株価指数パフォーマンスに関しては、1位が不動産の27.94%上昇、2位が持株会社の27.04%上昇、3位が工業(製造業、電力、建設など)の23.19%上昇、4位が金融の22.44%上昇、5位がサービスの21.44%上昇、6位が鉱業・石油の3.86%上昇と続く。鉱業・石油以外の全セクターが20%以上の上昇となっている。

 年初から5月3日までの1日当たり平均売買額は109億0,644万ペソで、2012年年間平均の72億6,128万ペソ、2011年の同57億1,323万ペソを大幅に上回るペース。外人の累計買い越し額は約521億ペソと非常に高水準、外人の売買額シェアは52%で、2012年の45%、2011年の37.8%から上昇している。

 フィリピン証券取引所(PSE)の時価総額は、2012年4月央に初の10兆ペソ台に到達、2013年早々に11兆ペソ台、2月に12兆ペソ台を突破、5月3日時点で2012年末比21.9%増の13兆3,195億ペソに達した。そのうち、国内企業の時価総額は同24.1%増の11兆6,813億ペソ、海外企業(カナダのサンライフとマニュライフが並行上場)の時価総額が同8.2%増の1兆,6,382億ペソである。

 一方、PDS(フィリピン・ディーリング・システム)でのペソ対米ドルレートは、5月3日終値が1米ドル=40.910ぺソとなり、2012年末の終値41.050ペソから0.140ペソ、率にして0.34%のペソ高となっている(PDSやPSEの取引記録などより)。
~~フィリピン経済・金融・投資情報5月6日号より~~

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