アスリートの身体の使い方と演奏 の関係について 感じていることを書きたいと思っている。
けれど、頭の中には一杯貴重なアスリート達の言葉がランダムに散らばり、
時々それらの言葉が、全く違う本の作者の言葉と、重なったり繋がったりしながら、
まるで蛍の光の点滅みたいにあちこちに誘導されたりするので、
正直、どんな書き方をしたらまとまるのかがわからない。
とりあえず、
最近のレッスンで、
「力」について説明する場面が何回か続いたので、
「力」の出し方のイメージ
を、アスリート達がどんなに豊富なアイデアを持っているかについて、書いてみようと思う。その1
まず、私達が日常で力をいれる!
と感じる場面は、
例えば
素手でガラス窓を叩き割る❗
あまり、日常に無いか…
気をとりなおし…
突然迫って来る壁を全力で押し返す❗
スパイ映画の見すぎか…
開きそうにないジャムの瓶の蓋を
全力で開ける!
おぉー!これなら、みんな日常に経験してるはず。
そう、これらの力の入れ方には共通して、
頭に血がのぼり、
肩や腕の一点に力を集中して
身を縮める!
というイメージがつきまとう。
だから反射的に、
頑張らねば❗
と思った瞬間に、身を縮め フンッと筋肉を固くしてしまう。
だけど、演奏の時にはみんな必ず先生に
「脱力して!」
と注意された経験があるはずです。
頑張らねば❗
そして、
脱力せねば❗
この、どう考えても両立しないんじゃないかと思われる現象
どうすりゃいいの!
とパニクってる間に、本番は終わり、茫然とする…
そんな経験を何度も…
しちゃいます よね?
頑張らねば❗の瞬間 「力」のイメージを、アスリート達はどんな言葉で語っているでしょうか。
そこには、驚くほどたくさんの種類のアイデアがあります。
捻ってみたらどうなるか
重力を感じてみたらどうだろうか
反動に任せてみたらどうだろうか
遠心力を利用したらどうなるか
骨を利用したらどうなるか
など、
あの手この手のアイデアを絞り出し、
自分の身体で実験し、
改良を加え、
繊細に洗練させていきます。
斎藤孝さんが、ハンマー投げを室伏広治さんに教えて貰った時には、
「腕に力を入れてるんじゃないんです。
力をぬいて重みを感じて下さい。
臍下丹田が遠心力の中心になるだけなんです。
水を入れたバケツをぐるんぐるん回すと 止まらなくなって面白くなる そんな感じです。」
(「身体の知恵」 斎藤孝 著より)
と言われて
新しい身体感覚を目覚めさせられた、と書いておられます。
遠心力には、楽器を演奏するときの力の入れ方にも、共通するものがあるように思います。
フルートなら、
もうすぐ息がなくなるのに、クレッシェンドが来る❗
とか、
次々難しい運指のフレーズが連続で続く❗
なと、ピンチに見舞われそうなとき、
身を縮めて乗りきろうとするのでなく、
むしろ遠心力のように、
身体や腕を 伸ばされる方向にイメージして使うとどうなるか。
試してみる価値はありますよ。