原発事故後の報道で
いまだに不満があるのは

ヨウ素131

セシウム137

ほとんどその2つのことしか教えてくれなかったことです。

核分裂生成物がこの2つだけのはずはありません。
他の核分裂生成物についてなぜ報道されないのか?
これでは誰もが
漏れ出した放射性物質はこの2つだけだ
と誤解してしまうではありませんか!

他にどんなものがあるのか?
他は大丈夫だから報道されないのか?
それとも
検出方法がなくて分からないのか?
それとも
情報隠蔽されていて報道されないのか?

せめて、
「他にこんなものがばらまかれました」
っていうリストと
それぞれについての安全確認結果のリスト
くらい見てみたい。

私が知らないだけなのか?
それともそんなリストもなく、
調査も行われていないのか?

ヨウ素131

セシウム137
の他にどんなものがあるはずなのか?

結論を言うと・・・
質量数70くらいから160くらいまでのあらゆる組み合わせの同位体があるはずなのです。

このことは報道されたでしょうか?
あるいはその意味は解説されたでしょうか?

国民には難しすぎるというマスコミ判断または政府判断で報道されないのでしょうか?

さまざまな放射性同位体がある中で危険なものが2つだけだから

というなら、

それはそれでわかりますが、
だったらそう言ってほしい。

もとより

ヨウ素131

セシウム137



どこからどう出てきたものなのかきちんと説明されたでしょうか?

この2つは核分裂生成物です。つまり原発の本体部分=原子炉で燃料(ウラン235)からエネルギーを取り出した(つまり核分裂)ときに発生する、いわば、直接の燃えかすです。

その燃料とは
ウラン235
です。

つまり
2つとも
ウラン235

分裂した破片
です。

ところで
ウラン235が分裂した破片

ヨウ素131だとします。

235-131=104

です。これは
セシウム137の「137」
と大きくかけ離れていますから、
少なくとも
ヨウ素131でもセシウム137でもない何か
=某104(実際には102か103くらい)が
生成されているはずなのです。
理論上は
92-53=39より、
イットリウム102か
イットリウム103です。

何のことかもう一度説明します。

原子炉で起こしている反応は
核分裂反応です。

具体的に説明すると、
燃料であるウラン235原子核に
中性子をひとつぶつけます。
するとウラン235は
2~3個の中性子を出し
残りは二つに割れます。
このとき飛び出した2~3個の中性子
が、
別のウラン235にぶつかると
再び同じ反応が起きます。
これが自動的に繰り返されることにより次々と反応が起こり、熱エネルギーが取り出せる

という仕組みなのですが、

ところで
ウラン235の

「235」

という数字

何を表しているのでしょう?

ウラン原子を作っている
陽子と中性子の合計数
を表しています。

これを質量数と言います。

ウランを周期表上で調べると、
その原子番号は92です。
原子番号は陽子の数を表しているので、
ウラン原子の中には
陽子が92個ある
ことがわかります。
従って

235-92=143

が中性子の数です。

つまり
ウラン235原子核は
陽子92個と中性子143個がくっついてできているのです。

そもそも原子核は陽子と中性子からできています。そして原子核の周りを電子が取りまくと原子になります。

でヨウ素の原子番号を調べると、
53です。
なのでヨウ素131原子は

131-53=78より、

陽子53個と中性子78個
からできていることがわかります。

原子炉の中で
ウラン235が二つに分裂し、
そのうちの一つが
ヨウ素131だったとすると、
もう一つの破片についても、
陽子については

92-53=39

陽子と中性子の合計数に(質量数)ついては

235-131=104

の計算から
原子番号39で質量数104の原子ということになります。
しかし分裂させるためにぶつけた中性子1つと分裂時に出てくる2つか3つの中性子の数も合わせると、質量数102か103と予想できます。
原子番号39を調べると、イットリウムなので
ヨウ素131の片割れは
イットリウム102かイットリウム103
ということになるのです。
つまりヨウ素131と同数だけ
イットリウム102かイットリウム103
が発生しているはずなのですが、
それについては何も聞かされていません。

もちろん、
半減期が非常に短くて既に無いとか(ただしこの場合も崩壊後に別の放射性同位体になっている可能性がありその情報も必要)、
逆に半減期が非常に長くて放射線をほとんど出さないとか、
あるいはその物質は拡散しにくくほとんどが原子炉内に留まっているとか
・・・

いろいろ理由があって

安全!
報道の必要なし!

と判断したのかもしれません。

ですが、
そういう説明もまた

聞いていません。


以上は
ウラン235が、ヨウ素131に分裂した場合で説明しましたが、

セシウム137だと
片割れはルビジウム96あたり
と予想されます。

周期表上、ヨウ素とセシウムの間には原子番号54のキセノンがあって、
キセノンの同位体に分裂した場合、その片割れは
ストロンチウムの同位体です。
ストロンチウムは周期表上カルシウムの下にあって、
カルシウムと化学的性質が似ているので
骨に蓄積することが危惧されていました。


で、
問題は・・・


ウラン235が分裂するときに、
何と何に分裂するか?
なのですが、

実は決まっていないのです。

何が出てくるか、はっきり言ってわからないのです。つまり

なんでもあり

なのです。
ただし大雑把な傾向は分かっていて、だいたい
3対2
くらいの比での分裂が一番多いということまでは分かっているそうです。

ヨウ素対イットリウム
キセノン対ストロンチウム
セシウム対ルビジウム

いずれも
原子番号がだいたい3対2くらいです(質量数も)。

ですが、
1対1の場合も当然
「あり」
で、その場合は、
原子番号46のパラジウム
になります。

少なくとも
原子番号37のルビジウムから55のセシウムまでのすべての元素の、
さらにそれぞれの元素のいろいろな同位体があるはずで、
それらすべてをリストアップするとおびただしい数になるはずなのです。

それらすべてについてチェックして安全確認したのか?
それが無理でも理論上の安全確認ができたのか?

聞いたことないです。

実は、
原子炉の中に蓄積されているのはこれだけではありません。

稼動中の原子炉内では大量の中性子が飛び回っているわけですから、
核分裂と関係ない

ウラン235以外の原子

にもぶつかってしまいます。
そのことにより
新たな放射性同位体を作ってしまいます。

ウラン235以外の原子核には

ウラン238

既に述べた核分裂生成物
とがあります。

ウラン238は核分裂を起こしませんが、採掘時からウラン235といっしょに存在している同位体です。
ここに中性子があたると
238+1=239
となり、
ウラン239に変化します。
そうするとさらにその中の中性子が電子(ベータ線)を放出して陽子にかわる反応(ベータ崩壊)が起き、
92+1=93
で原子番号93のネプツニウム239になります。
同じ反応をもう一度起こすと
93+1=94
で原子番号94のプルトニウム239になります。

そしてまだこれだけではありません。
核分裂生成物であるヨウ素131は半減期8日で減ってゆく
と書きましたが、
それは消えてなくなるという意味ではなく、
別の原子核に変わるという意味にすぎません。
ヨウ素131の場合ベータ線を出しますから、陽子が1つ増えて
キセノン131ができるはずなのですが、その
キセノン131
が安全かどうかも聞いていません。
危険だとも聞いていません。
そのキセノン131もさらに放射線を出して別の原子核に変わります。
このようにウラン235の核分裂で生成されたおびただしい数の放射性同位体は、
原子炉の稼動中は中性子を浴び続けることによりさらに別の原子核に変化し、
運転停止後はアルファ崩壊、ベータ崩壊など自然崩壊で放射線を出しながら次々に別の原子核に変化してゆきます。(運転停止後も原子炉を冷やし続けなければならなかったのは、このときに発生する熱の為です。)

にもかかわらず

ほとんど
ヨウ素131

セシウム137

2つだけに情報が絞られていたので、
他はどうなったの?

と未だに謎なんです。
もしかしたら、
まだ誰も研究も調査もしていない放射性同位体がたくさんあるのかもしれません。