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第15話はブータン王国ニャん

幸せって何?
お金があること?

 物質主義の世の中に、国家として異を唱えた国。それがブータン王国。
 ブータン王国はチベット仏教を国教とする宗教国家です。そして国王が強い実権をもつ王国です。その仏教思想が政治に大きく反映され、人間の幸福や本当の豊さというような問題に、正面から取り組む政治が行われているそうです。
 ブータン王国は貧しい国ということになってます。国連のLDC(後開発途上国)にも指定されています。でも待ってください。何を基準に貧しいと言うのでしょうか?
 ブータン国民は誰も不幸だと思っていないのです。
 そもそもお金もモノも幸福になるための手段にすぎないはずです。お金やモノを目的化してしまうGNPやらGDPやらっておかしくないですかね?お金もモノも、それによって幸福になれる場合に意味があるのであって、本当に大切なことは幸福かどうかのはず。
 1972年に16歳の若さで即位したブータンの王様は、経済的豊かさを示す国民総生産(GNP)に変わって、幸福の尺度として国民総幸福量(GNH)なるものを提唱しました。(第4代国王ジグメ・シンゲ・ワンチュク。)この新しい価値観は少しずつ世界に広がりつつありますが、ブータン王国のことで世界に最も知られていることが、このGNHではないでしょうか。

 我が国にはお金もモノもたいしてないけれど、でもみんな幸せです。

 国連の最貧国に指定されながらそんなこと正々堂々と言える国なんて、そうやたらにないのでは?
 貧しい国は、そして豊かな国でさえ、経済発展に血眼になって国民を働かせて無理やりカネ稼ごうとしますね。国土を乱開発して自然破壊します。
 ブータンは無理な近代化を否定します。でも無理のない近代化には積極的です。環境と人間を決して犠牲にしない速さで、成果と副作用を確かめながら急ぎすぎない近代化をじっくりと行う。だから観光客で稼ぐけど決して稼ぎすぎないように、つまり環境や文化を破壊しない程度に観光客の数をわざわざ制限しているのです。
 ブータンはなんて地球に優しく、なんて人に優しい国でしょう。
 かつて鎖国状態だったブータンは少しずつ外交関係を築いていますが、面白いのは、いまだに米、中、露いずれとも外交がないこと。非同盟中立の外交上の基本としているためこういった国との関係は慎重なのかもしれません。日本は早くから外交関係を結んだ国のひとつです。

 そのブータン王国は
アーチェリーで男女1名ずつ計2名を北京大会に派遣しています。ブータンは弓術が国技です。

 一応、いつも通りのことを書くと、
金0、銀0、銅0、合計0
です。

 ロンドン大会では、アーチェリー男子個人1名と、射撃女子エアピストルに1名出場権を得ています。
 仏教国ブータンの選手がどんな戦いぶりを発揮するか、是非注目しましょう。


↓ブータン王国の位置です。
ニャンコのうんちく-ブータン王国
 外務省HPを見せていただくと、
 面積約38,394平方キロメートル(九州とほぼ同じ)本当は46,000平方キロメートルほどあったはずなのですが北部を冬虫夏草欲しさの中国に強引に奪われたままとのこと。
 人口約70.8万人鳥取県より多く、島根県より少ないくらいでしょうか。

 現在の国王は、1980年生まれのジグメ・ケサル・ナムギャル・ワンチュク(第5代)。先代もとても若くして即位し、若いうちから活躍しています。
 昨年、結婚したばかりの王妃とともに国賓として訪日し、11月18日に被災地福島を訪れました。王様が直接被災地にお見舞いにきてくれるなんて恐縮です。ブータンは小国ながら密度の高い震災支援を行っており、国王夫妻の訪日に先立ち、上院議長も来日、首相も被災地に駆けつけています。
 しかしインドと中国のプレート境界にあるブータン王国は当然ながら日本と同様の地震国です。ブータン王国が被災したら、そのときは私たちが恩返しする番ですから、忘れないようによく覚えておきましょう。

 一代目国王ウゲン・ワンチュクがこの地域を統一したのが1907年なので比較的新しい王朝になります。
 農業国だが最大の輸出品が電力という国。ヒマラヤ山脈の豊富な水源を利用して水力発電が行われているそうです。エコ国家であまりエネルギーを使わないから電気はインドに輸出され、それが国家の重要な収入源とのこと。ヒマラヤ山脈の麓にあるこの地域は標高が高いため南国でありながら日本と同じような気候で、自然や文化、さらには顔立ちまで日本と似ていて、ブータン国民が日本に親近感をもつ原因のひとつになっているんだそうです。
 GNHばかり有名ですが5年ごとに策定される開発計画がしっかりあって経済開発はもちろん実施されています。良いことばかりでないのはもちろんで、国王の民族アイデンティティ強化策への反発や、国境付近の外国ゲリラとのトラブル。少数民族とのトラブルによる難民発生など課題はもちろん。政治の民主化も計画的近代化の一つで、先代国王の時代より、国王親政から議会制への移行が進められています。憲法は2008年にようやく施行され、総選挙も行われ、立憲君主制に移行したばかりです。


[ブータン王国前回北京大会の結果]

<アーチェリー2名>
@女子個人のDEMA Dorji選手は567ポイントでランキング戦61位(64人中)で、トーナメントは一回戦でグルジアのNARIMANIDZE Khatuna選手に敗れて敗退。この種目は日本選手3名が出場していて、早川 浪649ポイントでランキング戦9位。北畠 紗代子が616ポイントで46位。林 勇気616ポイントで48位。金メダルは中国のZhang Juan Juan選手。

@男子個人はPELJOR Tashi選手がRanking Roundスコア632でランキング54位(64人中)。サモアの選手には勝っている。トーナメントは台湾のWANG Cheng Pang選手に敗れて一回戦(32)敗退。この種目は日本選手は古川 高晴が663ポイントでランキング17位、守屋 龍一が661ポイントで22位。金メダルはウクライナのViktor Ruban選手