王将の餃子 51
もうずいぶん前の話だけれど。ぼくが学生の頃、
新宿の東口で、愛国党の赤尾敏が、よく演説をし
ていた。
赤尾敏は、真っ黒に日焼けして、痩身だったよ
うに記憶しているが、一見恐そうだが、おちゃめな
感じもした。演説は迫力があり、話の中身も面白か
ったが、車につけられた日章旗は、右翼だから理解
できたが、もう一本星条旗があるのが不思議な気が
したのを覚えている。
今思えば、赤尾敏氏は新米右翼だったようだ。
あのころろの日本は、敗戦の後、なにもかも灰燼に
なったが、おもわぬ朝鮮戦争特需や、ベトナム戦争特
需で、高度成長経済の真っ最中だった。今から、あの
ころを回想すれば、あながち赤尾敏氏の親米右翼も
むべなるかなと思わぬこともないが、あのころと違って、
アメリカは、自国の軍事産業の在庫整理のために、数
年に一度は戦争をせざるを得ぬ、戦争経済と言う体質
はいかんともしがたく、あまつさえ、その戦争をするた
めの戦費が皆無で、友好国という名の属国から戦費を
集ざるをえないはめに陥った現下、感慨は一入である。