ロールキャベツ 403
ぼくの周辺では、肥満という言葉に異常に忌避の
反応をする人が多い。したがってダイエットとか散歩
やテニスに余念のない人がおおく見受けられる。
かくいうぼくは真逆に、痩せるという言葉に畏怖を
覚える。
たしかに、おのれの顔を毎日鏡で見ていても、さほ
どの変化を感じないが、ベルトの穴が一つちじまると、
おやっ、と訝しい思いにかられる。そんなとき、だれか
に、痩せましたね、なんていわれると、難病を宣告され
たような気分に襲われ憂鬱になる。
今年の夏なんて、あまりの暑さに水ばかり飲んでい
た。食事はかたちばかりで、むりやりに食物を胃の府
に送り込んでいた。
とkろが最近、やっと食欲が増してきて、空腹を覚え
るようになってきた。今日の夕食はロールキャベツだ
つたが、すこぶる美味しく、なんと十個も食べてしまい
家人を呆れさせたみたいだ。このぶんでは心配なさそ
うである。そうすると今度は、肥満の言葉に恐怖を感じ
るようになるかもしれない。