バッテラ 342
まだまだ車の中は暑いし、それに加えて蚊が出
るので、なんとかならないかと思案をしていたが、
盛夏と異なり、わが茅屋の二階が案外涼しい事を
発見し使用することに相成った。
それでもエアコンは必要ないが、扇風機の弱程
の風量があればありがたいので利用した。
しかし車中の読書と異なり、あまりにも心地よい
ので、ついつい居眠りをしてしまうのが欠点である。
したがって読書が進まない。叔母さんの病気と葬儀
と言うことが重なって読書量はさっぱりである。実は
葬儀の折にも、僕の喪服のポケットに花田清輝著の
復興期の精神の文庫本を忍ばせていたのであるが、
読むチャンスがなかった。
どう言うわけか葬儀というのは不謹慎だが興奮を
誘うもんである。僕はその興奮を消化する為に夜二
時間ほど音楽を聴いた。エリック・クラプトンの愛しの
レイラ。レッド・チェペリンの天国への階段。ちあきな
おみのカスバの女。竹内まりあの駅。美空ひばりの
お祭りマンボ。都はるみの好きになった人。サザン
の夏をあきらめて。高田みずえの私はピアノ。ジョ
ージ・ハリソンのサムシング。ロネツのビー・マイベ
イビー。高倉健の唐獅子牡丹。桂ウンスクの私は
すずめ。岸洋子の希望。西田佐知子のアカシヤの
雨。ウエス・モンゴメリーのフルハウス。オーネット・
コールマンの淋しい女。アルバート・アイラーのゴー
スト。中本マリのナイト・アンド・デイ。サンタナの哀
愁のヨーロッパ。そして最後は松尾和子の再会~