びわ 276
こんなことがあった。
四歳ぐらいの頃である。
徳島の盆踊りは、阿波踊りである。
今では、徳島市など大きな町が盛んだが、
ぼくの子供の頃は、村々に踊りのグループ
連というものがあって、神社の広場などでよく
踊ったものである。
今では信じられないほど引っ込み思案だが、
こどものころは浮き輔で、お囃子が聞えてくると
じっとしていられない性分だった。
四歳と言えば、まだ踊りには早い年齢だったが、
母親にねだって、阿波踊りのはっぴを縫ってもら
い踊った。
そのときの写真が、我が家のアルバムにある。
そればかりではない。なんと、そのときに着た
ハッピがタンスの奥から出てきたのである。
話が脱線するが、わがやには巨大な招き猫が
ある。九十センチの背丈があるだろうか。件の
ハッピであるが、その招き猫に着せているのだ。