雪だるま 101
道元にやさかりける桃の花 森 澄雄
政治は悪である。これがデモクラシーの前提である。三権分立も、
その前提から生れた。立法、行政、司法。統治するには分割をして
する。国家権力も又同じ。そうしないと権力は国民に襲い掛かって
くる。権力もまた悪である。
デモクラシーの要諦が言論の自由である。言論の自由が無きデ
モクラシーはありえない。
はたして、日本にデモクラシーあるや無きや。近代日本の歴史を
精査しても、国民が血を流してデモクラシーを勝ち取った痕跡がな
い。どうやら与えられたデモクラシーのようだ。ーーーーーー
以上のようなことを、白昼夢のなかで思っていた。こんなことを想
念するのは、決まって浅い眠りのときだ。熟睡しているときは無の
世界だから、何もおぼえてはいない。
どん、と車のドアの閉まる音で目が覚めた。どうやらお客さんのよ
うである。廊下に出て「いらっしゃい、どうぞお上がりください」と声を
かけた。入ってきたのは、夫婦と子供三人だった。子供は、男の中
学と、あとは男女の四、五歳ぐらいだった。ちいさな男の子はメガネ
をかけていた。妻は、サンタクロースが履いているようなブーツを履
いていた。さて、買うのか、あるいは買わぬのか、神のみぞ知る。