野良猫 779
天の青 わたしがつくるひとつの汚点 富澤 赤黄男
あら、ボンジュール。お久しぶりね♪
これは金子由香利の再会という歌の一節である。
わたしっておしゃべりね、ひきとめてごめんなさい♪
情感たっぷりに、詠うというよりもしゃべっている。ルイ・アームス
トロングが喝破した。詠うな語れ、の見本のような歌唱である。
あのひと奥さん、綺麗な方ね。わたしに少し似てるは♪
美空ひばりや、ちあきなおみのような、歌の美味さとは異なる。い
わば、ジャズのペギー・リーのようなムードで聴かせるタイプだ。
はじめタイトルが再会とあったから、松尾和子の海より深い恋心か
と思った。でも違った、こちらのほうがずっといい。
最後の、いまでも愛しているは♪なんか唐突で変な気がするけど、
しかたがないのかもしれない。この言葉がなければ、たんなる立ち話
になってしまうので、いささか不自然に過ぎるけど、こうしたのに違い
ない。
ぼくが金子由香利を知ったのは、たしか永六輔の書いたものか、ラ
ジオ放送だった。知ってすぐにレコードを購入した。ジャズ以外で買う
のはめずらしいが、欲しいと思ったので買った。もう久しく聴いていな
いが、我が家のどこかで眠っているにちがいない。わざわざ探してま
で聴こうとは思わないが、なにかの拍子に再会するかもしれない、
おあとがよろしいようでーーー