_ 矍鑠と重畳 99
ぼくは仕事は苦にならない。むしろ仕事のあるほうが
一日が楽しい。それはいいのだが遊びが下手だ。どうして
も上手に遊びが出来ない。気分としてはもっと遊んでみたい
とおもっているのだが、いざ遊んでみようとすると行動がとも
なわないのだ。これはどうしたことなのであろう。ぼくの心の
深いところで遊びを忌避する何かがあるのであろうか。ぼく
自身としては遊んでみたい気分は大きいのだけれど、どうし
ても出来ない。
遊びといっても具体的なイメージがともなわない。何をど
うすれば遊んだことになるのかわからない。だが旅行が遊び
であることは理解が出来る。ぼくに旅行ができない理由も条
件もない。時間は腐るほどある。お金は腐るほどはないが、
腐らないていどにはある。したがって旅行が出来ないわけは
ないのだがなぜか旅行すらできないのである。要するにもの
ぐさなんだ。これはよくないことだと思う。もっとぼく自身に優し
くせねばならぬと考える。もっと遊ぼう。もっと遊びたい。古歌
にあるではないか。遊びをせんとや生まれけん、っと。