裸の王様 9
本は、ぼく自身への投資である。映画、音楽もまた
そうである。それらのものを楽しみつつ、より深めてい
きたいがゆえなるものである。されど怖さもある。強烈
な本に出会うと、精神がゆさぶられる。そして変化をせ
ざるを得ない。常に精神は保守であるが、それを打ち
破るモノに出会うと、やはり変化をする。それが醍醐味
といえばそうかもしれないが、そんなことが怖いことでも
あり、また、楽しみでもあるのだ。
こんなことを言うのもなんだが、ぼく自身はつまらな
い平凡な男である。とりたてて誇れるような才能も特技
もない。それでいいと思っている。偉い人はそんなにい
らない。少ないから偉いのである。あまたの人々は平凡
な大衆である。有象無象なのだ。
生命は有限である。ぼくはガンバルという言葉は好ま
ぬ。方丈記の鴨長明ではないが、ゆらゆらとたゆたいな
がら、そしてあがきながら、生きていくつもり。