祇園と干し柿 16
聖書,ぼくにとって大切な本である。信仰の書ではあ
らず。時々ぺらぺらとめくり、開いたところをてきとうに
に読み進むのであるが、なるほど素晴らしく深淵な言
葉にあふれ、学ぶことが大であるが、ガテンできぬこ
ともある。
例えば、ご存じ人間の誕生に関することである。まず
エホバ神は地面の塵からアダムを造り、あとで彼のあ
ばら骨でイブを造った。そして二人は交わり長男カイン
が生まれる。後に二男のアベルも生まれた。成長して
カインは弟アベルを殺してしまうのだ。これが人類最初
の殺人である。これだと人間は4―1=3になるのは子
供でもわかるはずなのであるが、さすがは聖書そんな
科学的常識なんぞは無視して、誰がつくったのか三人
意外にぞくぞく人間が出現してくるではないか。放浪者
になったカインは、出会う人に殺されるかもしれないと
心配しているし、ノドの地で妻をめとっている。これらの
人間を造ったのは誰かは聖書は書かれていない。創世
記を書いたのはモーセといわれているが、これはどうし
たことであろうか、プロットがめちゃくちゃなのである。こ
のほかにも面妖なところも多々あるが、さしずめ現在ら
芥川賞はチト無理ではなかろうか。しかし、信仰の書と
して長い時間の篩いにのこってきたのには合理性を超
えたサムシングがあるのであろう。神と子と聖霊のみ名
において、アーメン。