流転と啓示 9
経済学における議論を理論的に突き詰めると、その
争点は古典派か、ケインズかという処に集約される。
一体何故、この二派だけがそんな力を持ち得たのか、
その答えを示唆しているのは、実はマルクスである。
マルクス曰く、経済には人間の手に依って変える事
のできない法則がある。モノの価値、経済の動きは需
要と供給に依って決まる、という法則があると。この法
則性について、供給こそが需要を作るーー即ち供給に
依って需要が決まると主張しているのが古典派。逆に
供給は需要に依って決まる、としているのがケインズ
です。つまり、経済の動きを読むための基本的且つ最
も重要な論理を提示しているのが、古典派とケインズ
なのである。
最大多数の最大幸福を追求する事の正当性と重要
性を思想的に世に問うたのは、産業革命時代の哲学者
で功利主義者のベンサムである。曰く、人々の行動を決
定するのは快楽と苦痛のバランスであり、且つ、快楽の
効用を数値的に測定する事は可能である。これに基づ
いて、最大多数の最大幸福をを実現する事ーーこれこ
そが政府の役割であり、政治の目的である、とベンサム
は語った。善悪の判断より快・不快のバランスの方が重
要であり、快楽を最大化する事が正しい行動である、と
いうのがベンサムの主張である。規制で縛られた市場で
は人々は思うように快楽を最大化する事はできない。経
済政策についても、ベンサムは自由放任を主張した。、
つづく