日輪と意思 9
唐突ではありますがお金についてお話をさしてく
ださい。
ぼくはお金に無関心ではありません。かといって
お金がぼくの生活の中心かといえばそうでもありま
せん。
かつてぼくはお金の亡者でした。すべてお金を目
的とした生活をおくっていました。それはそれで面
白かつたのですが、あるときふと考えることがあり、
有り金全部銀行から下ろしてぼくの部屋に置いて、
10分ほどぼんやり眺めておりました。
なるほど。このお金を使えば世界中を100回旅
行できるだろう、ソープへ行って何千人の女といい
ことができるでしょう。しかし、それでぼくは満足す
るであろうか。欲望は欲望を生みきりがないので
はないのか。いままでの生活が虚しく感じた。こん
なお金のために人はいがみ合い、ののしり合い、
殺し合っているのだ、と思うと怒りさえ感じた。お金
は生きる目的ならず、手段だと思った。今もそう思
って生活をおくっている。
現在しみじみこう思う。お金は女と同じだ。欲しい
ときには手に入らないが、どうでもよくなればむこう
からネギをしょってやってくる。てなもんだ。