独り言  10月19日 | はなのブログ

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                 白河夜船   19

       はなはだ僭越とは思いますが、ぼく思うにはしな

      くも思いもかけない人からいにしえに思うところが

      ありきと、うわさではあるが伝え聞くことがあった。

       はて、訝しきことよ。わがみに覚えはない。その

      ご婦人にほとんどと言っていいほど記憶が非ず。

      そのうえ名さえ定かならず。いと、疑わしきことよ

      と小首をひねってみたものの思案のほか、一向

      に埒があかず、ままようっちやっておいた。

       やがてモッレタ糸もほぐれ、やっと実相がみえ

      てきた、ぼくに伝えてきた男があわてもので、同

      じクラスの同姓の奴とまちがえたのである。おか

      しいと思った。ぼくが麗しき乙女の心を悩ますは

      ずがあるわけない。

       ぼく思うに、われらの世代今まで生きるのにせ

      いいっぱいであった。子供もかたずき、やっと人

      生をふりかえる時が来て、クラスメイトとのよもや

      ま話に、ふと、青春のほろ苦き想い出をもらし、

      それが一人歩きしぼくらの耳にとどいたのであ

      ろう。そこに勘違いがうまれた。いいではないか。

      許そうではないか。怒るなんて大人げない。