へろへろ論考 12
世はなべてこともなし、月日は百代の過客とや
らで、茫々と過ぎていった長い暦日を振り返り、
はるばるとあなたこなたを眺ぬれば、さなが
ら夢幻のごとく思ゆる。無常とは、実に、至言
なるかな。
つたえきく由なし事に耳をかたむけ、ひねも
すつれづれに心をまかせるもよし、あるいは
なつかしきおん方からの文に目をぬらすもま
たよし、人の死は必定あまねし、鴨長明曰く
知らず生まれ死ぬる人、何方より来たりて
何方へか去る。いわくいいがたし。やんぬる
かな。またいっちゃつた。
以上の文より文法の間違いをのべよ。
62,彼は指をパチンとはじいてウエイターを
よんだ。彼がテーブルへ来るのを待つ間に、
彼女は体を乗り出し英語の中でもっとも高
価な三つの言葉をささやいた。
「アイ、ラヴ、ユー」
すると、彼はやさしいずるさを眼にこめて
彼女を見返し、英語の中でもっとも安価な
三つの言葉をささやいた。
「アイ、ラヴ、ユー」
エド、マクベイン ハートの刺青より