チャイムが鳴った。
「はい、どなた」
と、紀子はいってドアをあけた。
そこには、ひとりの女の子がいて、ぺこりとおじぎをした。
「はじめまして、わたしは礼儀正しい泥棒なんです。なにか盗ませてください」
というのです。
「なにふざけてるの、おばさんおこるわよ」
と、紀子はにらんだ。
「ふざけてなんかいません。本当に泥棒なんです」
といって、家の中にはいってきた。
紀子は、最近ひっこしてきたので家具らしきものもなく、布団と食器ぐらいしかありません。
「なんでも、盗んでいってけっこうよ。でも、なにもないでしょう。ざんねんね」
女の子は、部屋をみまわしため息をつきました。
「ほんとうに、なにもないわね」
「どうするの?このままかえる」
「そうゆうわけにはいかないのです。お金はありませんか」
「銀行にすこしあるけど、カードよ」
「カードは危険です。こうゆう時は無理をしないって、教わってきました。帰ります。お邪魔しました。戸締りにきおつけてください。それと、ドアはすぐ開けないで、ドアチェ-ンを必ずしてください。さようなら」
こうして礼儀正しい女の子の泥棒さんは、帰っていきました。ちゃんちゃん