※左:Michelle、右:JH13v2
【購入品】
MIXWAVE ONLINE STOREにて78,000円(税込み)で購入。新品であるものの箱潰れ品なので定価(約13万円)より安く、4割引きと相当お買い得。
【使用環境】
XDP-100Rに直挿し。特に生活音の無い環境で使用。
【デザイン】
JH Audioの3Dプリンタシェルお決まりのデザインとなっています。カスタムIEM似なフェイスプレートと丸みを帯びたドライバー格納部は、他のIEMメーカーのUniversalFitモデル(以下、UF)でも見かけるデザインです。しかし、耳の奥まで伸びるステムは、JH Audioの特徴と言えるでしょう。
フェイスプレートは、ウッド調の下地にフライングガールと「13v2」ロゴが装飾されています。木材を使っているかは定かではありませんが、結構リアルな木目です。その落ち着いた木目の上に派手なロゴを配置するのは、結構なミスマッチ具合です。
【音質】 ※低音ダイヤルを最小に設定して試聴。
フラットな音質です。
低音域は量こそ少ないものの、十分な存在感があります。ただ、ダイヤルがどの位置でもボワついた解像度の低い音となる為、低音を求めての購入はお勧めできません。
中音域は量・質ともに十分で、とにかく自然な鳴り方だと思います。情報量が非常に多く、解像度も非常に高いのに、違和感を全く感じません。
高音域も中音域と同様の印象です。4BAが担っている帯域の割に、やはり自然です。不自然なピークがなく、情報量が多いながらも自然に伸びます。
低音ダイヤルの調節は、「量が増える」と言うより「低音が他の帯域に被るようになる」印象です。ダイヤルは最小~2割程度の位置が無難で、とにかく自然な音を鳴らします。逆に言えば、インパクトに欠ける音質です。
全体的な解像度は非常に高く、特に情報量が多く濃厚です。音の分離も言わずもがな高いです。
音の定位感は、やや良い程度です。最適な位置に装着できれば良いでしょうが、それでも特別良いと言えるまで後一歩だと思います。
音場は、やや広めです。3Dプリンタシェルモデルは総じて広さよりも距離感を重視している気がします。近い音は近く、遠い音は遠くに聴こえます。
音量は、並みです。
【フィット感】
普通です。JH Audio「Michelle」よりも長いステムでありながら、ハウジングが耳に当たることからフィット感が多少改善されています。どちらかというと「Michelle」「TriFi」より初代「Roxanne」「Angie」に近い装着感です。そのサイズ感から避けていた人は、このPerformance Seriesも避けた方が良いかもしれません。
【タッチノイズ】
並みです。どちらかというと小さいですが、低音ダイヤルの部分が揺れやすく振動が発生しやすい点がマイナス評価です。
【外音遮断性】
高いです。耳の奥をしっかりと、耳の穴の入口周辺も塞ぐ為、ShureやWestone程でないしろ、高い部類に属すると思います。
【音漏れ防止】
無いと思います。
【携帯性】
やや低いです。サイズ感の割に携帯性は高いと思います。唯一の難点は低音ダイヤルが大きめ且つ重めであることです。それほど邪魔になりませんが、移動中のケース中で至る所へ当たり回らないか心配になります。
【総評】
かなり完成度が高いです。イヤホンらしさのない、自然な聞こえ方を求める人には打って付けかと。1本で全てを担わせたい人にもお勧めな万能型における頂点のようなイヤホンだと思います。
ただ、定価13万円、今回の購入金額(8万円)からしても、割に合わない買い物とは思います。自然、違和感が無いとは聞こえが良いものの、正直、聞き込んだ後の身としては買う理由に欠けるイヤホンだったりします。
あと、需要の少ないであろう評価、モニターイヤホンとしては可もなく不可もなくと言った感想です。総合的に見て、SHURE「SE425」、Etymotic Research「ER-4SR」、SONY「MDR-EX1000」といった下の価格帯のモデルよりには勝っているとは思いますが、この価格帯におけるモニターイヤホンならUE「UE Referece Remastered」が最上だと改めて思いました。
【備考】 ※比較機、エージング具合など
・付属品:イヤホン本体、イヤーピース(SML、各サイズ1ペア、シリコン製とウレタン製の2種類が付属)、円柱状のメタルケース、3.5mmコネクタケーブル
・50時間程度のエージングの後にレビュー
・レビュー時の比較機:Etymotic Research「ER-4S」、SONY「MDR-EX800st」、JH Audio「Michelle」