なかなかのツワモノでした。 | tmpブログ

なかなかのツワモノでした。

2017  0130  ヨコハマ 快晴
 
ま〜暖かい!小春日和みたいで嬉しくなります。
 
先ほど写真のHさんのフェンダー・テレキャスターのチューンを終了させました。
Hさんのこの個体対するサウンド志向にフィックスさせる為の難しさもさることながらその為の様々な変更作業が必要で、なかなか手をやきました。
 
作業自体はスロープヘッド化、指板R変更&リフレット&CFフレット加工、WBHナットへの変更、ネック仕込み設定変更、2連サドルの仕様変更加工、フラットケーブルによる再配線作業、となりますが、一番の問題はこのネック自体の出来の悪さにありました。
 
恐らくですが、ヘッドとネック端末部の2箇所、形状治具と板材を固定して加工するのですが、その際に端末の治具固定が不完全だったのでしょうね、加工時にブレが出たと思われます。その結果、ヘッドがブレて加工され、そのまま通常仕上げを行ったものと思われます。そう推測出来る形状ブレが見受けられたからです。
ネックのセンターに対しヘッド形状が完全にズレてましたからね。
 
またネックの端末部の水平出しも不完全で横断面から見るとネックがクサビ型状に加工されていました。これでは水平面にネックを置くとネックの上面に仕込み角が設けられているのと同じことになってしまいますのでネックの裏面端末も削り修正を加えて水平を確保し直す必要がありましたね。勿論ボディのネックの仕込みも埋め木してから再加工済みです。早い話、そこら中に手を加えました、って話です。
 
今回はご本人からペグの交換要望も出てはおりましたが、予算的に様々な追加工がかなり多くて予算をオーバーしてましたし、まだ使えるペグではありましたので今回は未交換です。
 
とは言え、最終的には文句ないレベルに仕上がっております。
思わずプレイ上、チョーキング・ヴィブラートを多用してしまうほど絶妙なベンド感と色艶たっぷりのサウンドですから、たぶんHさんは今後、他のCS製テレキャスターを弾く気にはならないと思いますよ。
このプレイフィールの為に今回の作業全を行う必要があったことを実感していただけるものと思います。
ちなみに、今回のCFフレット加工は内角89.228度、0フレットRが1337/R
12フレットで1661/R の算出値を元に加工を行いました。
今回の作業で、このテレキャスターはHさんの生涯の友に仕上げられたと思いますのでお受け取りくださいませ。本日発送の予定でおりますので、お楽しみに。
 
作業のご依頼、誠にありがとうございました。