デカイ治具
2016 0930
9月も終わりですね〜
今日は、ニアCF加工の際に弦長も規格も違う楽器のサークルフレッティングの円弧状のR出し加工はどのようにやっているのですか?とのご質問に対してです。
基本的にはナットとサドルの両サイドの弦溝の延長上の交点が基準となりますので、まずはどんな規格設定の楽器であっても両脇に張ってある弦の延長上のヘッドのずっと先に位置する交点を計算で求めます。
その交点からまず0フレット位置にマーキングピンをセットしてそこでの円弧状のラインをナットにマーキングします。
あとは1フレット、2フレットとスケール割りした距離を加算させた位置までマーキングピンを移動させて同じように円弧状にラインマーキングして各フレットのマーキングからブリッジ側の側面を1本1本ヤスリ加工していきます。(写真)
写真の左側のずっと先にある交点から長々とアームが延びております。
これで結果的にCFと同じ状態になります。この場合、元に打ってあるフレットが非常に細いタイプですと幅にゆとりが無いのでこの作業が出来ません。ミディアムサイズ以上のフレットであれば問題なく処理可能です。
とにかく、このCF位置出し治具は全長が1.5mを超えますのでデカイ!
やたら場所とって仕方ない。
もう大昔のことですが、初期のワタシが行っていたCFSのフレット溝加工は、この治具の先に細〜いビットを取り付けた小型のルーターを固定して円弧状のフレット溝を浅く入れて、それをあぜ挽きノコで適正な深さまで溝切りを行っていました。
計算で割り出した数値に合わせて正にアナログ極まりない加工でしたね。
こうしたこれまでに無かったアイテムの開発は設計と治具作りから始まるのです。
それを1から全て自分ひとりで行うか、会社組織で行うかの違いですね。
現代ではCFSのパテント譲渡先であるフジゲンさんがプログラミングマシン加工でCFSの指板及びCFS仕様の楽器を正確丁寧に製作されていらっしゃいます。