個別報告 ベーシストの U さん | tmpブログ

個別報告 ベーシストの U さん

0328  ヨコハマ 晴れ

穏やかに晴れた土曜日です。

今日はベースの U さんが持ち込まれたシグマ製のエレアコベースの作業です。
ご本人も、現状からどこまでチューンナップで良くなるものか、その点が どこまでコストを掛けられるかの判断の分かれ目とお考えの様子。

まずはウッドベース弾きでもあるご本人の要望は出来る限り箱鳴りの良質なサウンドをイメージされている筈ですから、最初にこの個体でそれは無理です、とお答えしてあります。
まず、ヘッド面積が小さ過ぎる、ボディ厚が少なくとも10ミリは薄過ぎる、ブリッジ台座が小さ過ぎる、と主にこの3点の設定からご要望には答えられない旨、お伝えしてあります。

では少しでも良くするには、との作業がまずWBHナットとサドルに変更して倍音の出方を増加させてあげます。その際に元のサドルの横幅が短過ぎる設定でしたので、水牛の角で10ミリ横幅を広めた設定で作成してあります。ですからサドルの台座溝も10㍉広げてあります。これで元の鳴りよりもずっと音楽的な響きに近づいています。

そこで U さんに提案ですが、この個体のペグロケーションに関してですが、このヘッド角度設定に於いて1弦と4弦の位置は問題無いのですが、2弦3弦のペグ位置がナット側に近過ぎて、バランスしていません。
この2本は音の定位も上がってしまっていますし、サスティーンも1弦4弦より短くデッドな響き方です。
計算しますと、2弦3弦だけペグ位置を8ミリ上方へ、ペグ間を5ミリ広げて移動させれば、この問題は解決出来ます。

ここまでやれば、明らかに音楽的なサウンドになって来ますので、後は燻煙処理をして更にクオリティを高めるか否かですね。ご指示をお待ちしております。