超 お薦めマーティンSW ! | tmpブログ

超 お薦めマーティンSW !

1115  ヨコハマ 快晴

素晴らしい天気。実に爽快な気分です。

そんな日に入荷した大お薦めの個体を紹介致します。
2009 年製のマーティンSWシリーズの個体でD-18のサイドバックとネック素材をマホからチェリーウッドに変更した限定品なのです。

実はワタシは以前からメーカーさんの開発仕事の際に、このチェリーウッドの採用をプッシュし続けて来た経緯があります。実際には採用されなかったのですが、エレキのボディ材としては自分では幾度か採用し製作しております。

とにかくアコギの主流の素材としてはトップはスプルースかシダー材、ネックやサイドバック材としてはマホガニーが非常に多く採用されています。またサイドバック材ではローズ系の素材が圧倒的にメイン扱いでした。
でもこうした数種の材に集中してしまうのは大量生産に採用されると素材単価が下げられ手配も楽な点がメリットなのです。まあ、俗にいう「定番仕様」だからこその理由ですね。

ところが、例えばサイドバック材に限って申せば、マホガニー系かローズ系に大別されるので、アコギのウッドトーンはその多くが2種類で構成されていると言えるのです。

ワタシはその点が非常に残念でした。
なぜならマホ材とローズ材ではキャラクターが独立して離れ過ぎている事と、よりギターサウンドに適したチェリーウッド材が全くと言っていい程,採用されていないからでした。メーカーさんに提案しても興味を示さないんですねえ~残念ながら。

チェリーウッドはマホの様な腰の強さもブルージーなトーンも備えていながら音にブライト感も出てとにかくレスポンスが素晴らしくパワーも出せる素材なのです。ネック材としても充分使用可能ですしね。個人的にはマホよりも好きなくらいです。

そんなチェリーウッド仕様がマーティンから限定で出ていたのですから、驚きました。
これは買うしか無いでしょう。
案の定、チューン前のチェックで、そのレスポンスの良さと音量に驚かされます。
ブルージーなトーンでありながらマホやローズの様に音が暗くないんです。まさにアコースティックギターの素材としてメインとなっても不思議は無いと言える素材です。乱暴な表現で言えば、例えば、エレキギターでギブソンの楽器しかなかったとして、そこにフェンダーのテレキャスターやストラトが登場した様な感じ。ミュージシャンが喜ばない筈が無いんです。

確かに定番であるローズウッド材の上品な色艶のあるトーンも魅力なのですが、ワタシが製作家としてどうしても気になるのは、そのトーンの暗さなんです。表情が暗いんです。
まあ、四畳半フォークみたいな音楽にはいいんですが、本来のギターサウンドに何か足りないもの、それはブライトなトーンバリエーションなんですね。
かと言って、メイプルのサイドバック仕様は音が固過ぎて偏ったトーンになっちゃうし。

とにかくその多くにローズやマホばかりが採用されている関係でこれまでのアコギはどれもキャラクターが似ちゃってるんです。

ローズの色艶感とは違ったブライトな色艶もチェリーの特色ですし、重たい素材のローズがネック材には使えませんが、チェリーウッドはマホでネックを作った時よりもレスポンスに優れているのです。唯一の欠点はマホよりも良質材の入手が困難なのと素材単価が高いという点ですね。

とまあ、マツシタは随分チェリー材を褒めるね~って思うでしょうが、ワタシを良く知るミュージシャンでしたら、それは今に始まった事ではない事は周知の事実です。

そんなマツシタ一押しのチェリーウッドのネック&サイドバック材仕様のマーティンをこれから t.m.p チューン致します。むちゃくちゃ鳴る事はチューンする前から目に見えています。

今回は入荷額が高くなってしまってチューン後の販売プライスも30万近くになってはしまいますが、ありきたりのマーティンのD-18やD-28 を買うより個性の面ではこの個体をワタシはお薦めしますね。
マーティン・スマートウッドシリーズのチェリーウッド仕様、トップは素晴らしいシトカスプルースです。純正ハードケース付き。
生涯に1本最高のマーティン系のアコギをお求めでしたら、コレはいいです。
ご予約承ります。早い者勝ち!≧(´▽`)≦