経過報告&チューン前の検証 | tmpブログ

経過報告&チューン前の検証

1008  ヨコハマ 薄曇り

写真の1枚目はKさんオーダーのSTELLA-P90W のネック。本日はロゴ入れを済ませております。
この後で燻煙処理に掛けてからフレットを打ち込む作業へと移行していきます。

アコギはギタリストのKさんご依頼でYAMAHA AC3M と言うエレアコ。
鳴りに不満をお持ちだという事でした。ワタシも初めて対面するモデルですが、まず目につくのはこのギターはアコギとしては珍しい、ネックに仕込み角が与えられている事です。
正直、これはやっかいな奴が来たなあ~と。(><;) 

どーりでブリッジ台座厚が半端なく分厚いはずです。通常アコギはフラット仕込みですから、鳴らない楽器もヘッド部分やブリッジ部分の設定を変更する事で追い込む事は可能なんですが、ネックに仕込み角を付けられちゃうと話しはまったく別。

しかもヘッド角も12度と独特な設定でありながらペグロケーションはヘッド角14度のマーティンにほど近い。う~ん、設計意図が読めませんね。
この設定のままでは倍音豊かに鳴らす事はまず無理でしょう。

実際この個体は通常の程無く鳴っているアコギの2/3程度の倍音しか備えていないデッドな鳴り方です。それをプリアンプで音作りして補正すると言っても生鳴りがバランスして豊かに響く楽器でなければ意味が無くなります。それは言い方は悪いですが、俗にいう「ブスに厚化粧」になってしまいます。

バラして見ての細部チェックの結果が以上のものでしたから大きな溜め息が出てしまいます。
さ~て、どうしたもんか・・いつもの設定変更だけではフィックス出来ないからです。
最大の問題はネックに1.5度もの仕込み角が付いている点です。少しでも弾き手が心地よく鳴り響く楽器に作り替える為にどうするか、考えてみます。

実はこの次に控えているチューンナップ依頼は、オベーションのアコギなんです。
これがまた独特の作りの楽器ですから(何と言っても設計はヘリコプター作ってる会社)いつもの作り替えの内容だけでは独自設計過ぎて対処出来ないんです。

連続でアタマが痛いチューンが続く事になりそうです。

とは言え、そこは設計開発の専門家として世界中の誰よりもいい結果を出さなくてはいけませんからね。結果で現しますよ。お楽しみに。