経過報告 LG−O の I さん | tmpブログ

経過報告 LG−O の I さん

0522  ヨコハマ 小雨

作業途中で嬉しいニュース。
先月末に倒れて以来、ずっと意識不明のままだった友人が意識を取り戻したとお身内の方から連絡が入りました。いや~良かった、良かった。ずっと祈願していた甲斐がありました。
命さえあれば上出来だよ。(^ε^)v

写真はギタリスト I さんからの依頼でアメリカから取り寄せた65年製ギブソン LG-O です。
これだけ古いと多少のトップの変形は仕方ありませんので徐々に圧力を架け、ほぼ製造当時のトップ平面に戻し、その状態で先に内部にグランドアース・プレートを接合したブロック材を接着させています。硬化後にこのまま圧力を架けた状態で燻煙処理に入れます。

こうする事で元のトップ隆起を半分程までには戻して安定させる事が可能です。これからはトップが浮き上がろうとする力に内部のブロック材が踏ん張ってくれますし、t.m.p のチューンでは内部でボールエンドが留る位置も深く変更しますのでトップをめくり上げようとする力が軽減しますので、今後は安心です。

この作業は下手に真似すると楽器を壊してしまいますので決して真似しないで下さいね。
リペアーショップでは手に負えない作業内容ですから。

これだけ古い楽器ともなるとバスバーなどの接着剤も枯れて保持力が落ちていますので剥がれ易くなっています。接着剤も枯れるんですよ。その為に保持力が劣化しバスバーの剥がれを起こし易くなります。 今回も前もって怪しい部分はニカワで接着し直してあります。

この手のオールド個体は壊れる寸前の個体も数多く見受けられますので入手時に注意が必要です。
本当の状態の善し悪しは製作家じゃないと見抜けません。
全体に変形が進んだオールド個体は内部のバスバーなどもトップ材の変形に追いて行けず、耐えきれなくなって、いつ剥がれても不思議は無い状態だと認識すべきです。


この個体は燻煙処理が2セット終わったら、今度はブリッジ台座の段差加工を施し、ペグ穴も元の3連ペグから通常のクルーソンタイプペグに変更します。

I さん、お楽しみにお待ちくださいね。

問題はこれからの天候です。梅雨入りが控えてますからねエ。