内部歪みって?
4/11 ヨコハマ雨 風も強め
またしても天候が崩れました.風も舞って春の嵐っぽい日です.
現在進行中の作業の多くが塗装途中か塗膜の硬化待ちなので、本日は中断していたヴァイオリンの作業を行っておりました.
もうヴァイオラも2本買っちゃったしね.、既にヴィオラの弦も弓も入手済みでヴィオラに於ける張力設定出しも終わっているので今後はヴァイオリンと同じくバラバラにして全てt.m.p 仕様に作り替えます.
やはりとても興味深い弦楽器ですねえ.個人的にはヴァイオリンよりも好きかも.
チェロの製作も希望を頂いてますが、アレやっぱちょいとデカ過ぎ.ましてやコンバスなんかこの狭い工房では論外のサイズ.扱い楽器を増やすと一人での製作には無理が出ますからヴァイオリンとヴィオラどまりにしておきます.
何名かの方から「ブログに書かれていた内部の歪みってどういう事なんですか?」みたいな質問を頂きましたが言葉だけで答えるのは難しいので今回は丁度バラして削り修正を加えたヴァイオリンの写真がありますので簡単に説明致します.興味の無い人は遠慮なくAKBのメンバーのブログに飛んで下さって構いません.
(^ε^)アイウオンチュ~
写真の1枚目が今回バラしたヴァイオリンのバック板です.
平らな所に置くとあぶったスルメみたいに両側や前後も反ってめくれあがっています.この原因について古典楽器の製作家先生方がどうおっしゃるかはこの際別として、ワタクシはそもそもヴァイオリンの典型的な削り形状設定に問題があると判断しています.
側板から剥がしたとたんにこうして変形してしまうというのはヴァイオリンの場合ではネック仕込み部、左右のウエストの4カ所在るブロック部、そしてボディエンドのブロック部の各周辺部だけ材厚が厚く、その他のアーチ形状との材厚繋がりに無理が有る場合に変形が起こっていると判断しています.
材の乾燥が進み収縮が起きますとブロック周辺の材厚のある部分がその他の部分を引っ張る為に結果的に変形を起こしていると考えられるからです。
この状態というのは分かり易くお話しする為にドラムに例えて説明しますと、ドラム本体のリムには幾つもの皮の張り具合を調整出来るチューニングキーが備わっている事は皆さんもご存知かと思いますが、このチューニングキーの数カ所だけ強く引っぱりを強めてテンションを上げますと当然ながら響き方もそれ相応の響きが出ます.しかもバランスよくチューニングされた場合よりも歪みが大きい鳴り方をします.
これは張られた皮が部分的に張力が高い部分と低い部分が在る為に皮の表面が波打ってしまう為です.
これと同じ状況がヴァイオリンのトップ板とバック板で起こっているのです.勿論これはヴァイオリンに限らずアーチ構造の箱モノ弦楽器では共通で言える事です.
その結果、整数倍音/奇数倍音のバランスも崩れ歪みが有るクセの強い鳴り特性が与えられてしまうのです.デッドな部分やピーキーな耳障りなレンジが出たりするのも設計上与えられた特性に問題があるからこそ、それがまんま音に出るわけです.
写真2枚目はその問題の在る削り構造に修正を加えて削り直しを行なっているショット.
そして3枚目の写真が修正を加え終えて再び平らな面に置いたショット.
結果的に素直にほぼフラットな状態に戻ったことがお分かり頂けると思います.
こうした自然な構成のアーチ板は基本的に素直な響き方を致しますので、非音楽的なクセのある響きはしずらいものなのです.たぶん巨匠が製作した名器と言われる個体は見た目は同じ様な形状で製作されている様に見えても全体が恐ろしくバランスした厚形状で削り処理が行なわれているのだろうと予測しています.それに張力設定も多くの個体はぜんぜんバランスしてませんが名器は違う筈です。
まあ、あの900本も製作したストラディバリですら本当に素晴らしい楽器は10本程度と言われてますしね.そもそも二枚と同じ木は有りませんから、その素材毎に毎回形状数値も変化させて製作するわけですから1本1本感性を研ぎすませて作り上げて行くしかないのです.
ですから逆に巨匠の設定数値を真似てドンズバで製作しても毎回素材特性が異なるのが現実ですから毎回同じ設定で製作してしまってはダメなのだと言う事です。多くの製作家がその過ちを繰り返している様にワタクシは感じています。
写真の右側に映っているのは材の厚さを測るゲージですが、これをいくら駆使して同じ厚さで削ってもタップしたら響き方は微妙に違うんです。だからワタクシはあんまりこのゲージで計測しないんですね。重要なのは数値でなくて実際の響き方ですから。だからこうした計測数値よりも自分の感覚を優先します。それはギターでも同じです。
量産品だけです、材の個体差を無視して同じ規格で作られているのは。なぜならそれは楽器である前に製品だからです。
そもそも本当にスバラシイ楽器とは誰にでも作れる筈など無いのでして.選ばれた者のみが出来うるものなのでしょう。
もし努力さえすれば誰にも出来るのであるなら世の中にはもっと名器が溢れている筈です。長年の努力など通用しない「何か」 スバラシイ楽器製作にはそれが不可欠なんだと思います。
音楽だってそうでしょ?皆さんの様にギターも音楽も大好きだからって素晴らしいアーティストになれるかどうかは全く別問題。才能が有る事が「最低条件」なのだと思います。
う~ん、こんな説明でお分かり頂けたかどうかは少々疑問ですが、これでご勘弁を.

またしても天候が崩れました.風も舞って春の嵐っぽい日です.
現在進行中の作業の多くが塗装途中か塗膜の硬化待ちなので、本日は中断していたヴァイオリンの作業を行っておりました.
もうヴァイオラも2本買っちゃったしね.、既にヴィオラの弦も弓も入手済みでヴィオラに於ける張力設定出しも終わっているので今後はヴァイオリンと同じくバラバラにして全てt.m.p 仕様に作り替えます.
やはりとても興味深い弦楽器ですねえ.個人的にはヴァイオリンよりも好きかも.
チェロの製作も希望を頂いてますが、アレやっぱちょいとデカ過ぎ.ましてやコンバスなんかこの狭い工房では論外のサイズ.扱い楽器を増やすと一人での製作には無理が出ますからヴァイオリンとヴィオラどまりにしておきます.
何名かの方から「ブログに書かれていた内部の歪みってどういう事なんですか?」みたいな質問を頂きましたが言葉だけで答えるのは難しいので今回は丁度バラして削り修正を加えたヴァイオリンの写真がありますので簡単に説明致します.興味の無い人は遠慮なくAKBのメンバーのブログに飛んで下さって構いません.
(^ε^)アイウオンチュ~
写真の1枚目が今回バラしたヴァイオリンのバック板です.
平らな所に置くとあぶったスルメみたいに両側や前後も反ってめくれあがっています.この原因について古典楽器の製作家先生方がどうおっしゃるかはこの際別として、ワタクシはそもそもヴァイオリンの典型的な削り形状設定に問題があると判断しています.
側板から剥がしたとたんにこうして変形してしまうというのはヴァイオリンの場合ではネック仕込み部、左右のウエストの4カ所在るブロック部、そしてボディエンドのブロック部の各周辺部だけ材厚が厚く、その他のアーチ形状との材厚繋がりに無理が有る場合に変形が起こっていると判断しています.
材の乾燥が進み収縮が起きますとブロック周辺の材厚のある部分がその他の部分を引っ張る為に結果的に変形を起こしていると考えられるからです。
この状態というのは分かり易くお話しする為にドラムに例えて説明しますと、ドラム本体のリムには幾つもの皮の張り具合を調整出来るチューニングキーが備わっている事は皆さんもご存知かと思いますが、このチューニングキーの数カ所だけ強く引っぱりを強めてテンションを上げますと当然ながら響き方もそれ相応の響きが出ます.しかもバランスよくチューニングされた場合よりも歪みが大きい鳴り方をします.
これは張られた皮が部分的に張力が高い部分と低い部分が在る為に皮の表面が波打ってしまう為です.
これと同じ状況がヴァイオリンのトップ板とバック板で起こっているのです.勿論これはヴァイオリンに限らずアーチ構造の箱モノ弦楽器では共通で言える事です.
その結果、整数倍音/奇数倍音のバランスも崩れ歪みが有るクセの強い鳴り特性が与えられてしまうのです.デッドな部分やピーキーな耳障りなレンジが出たりするのも設計上与えられた特性に問題があるからこそ、それがまんま音に出るわけです.
写真2枚目はその問題の在る削り構造に修正を加えて削り直しを行なっているショット.
そして3枚目の写真が修正を加え終えて再び平らな面に置いたショット.
結果的に素直にほぼフラットな状態に戻ったことがお分かり頂けると思います.
こうした自然な構成のアーチ板は基本的に素直な響き方を致しますので、非音楽的なクセのある響きはしずらいものなのです.たぶん巨匠が製作した名器と言われる個体は見た目は同じ様な形状で製作されている様に見えても全体が恐ろしくバランスした厚形状で削り処理が行なわれているのだろうと予測しています.それに張力設定も多くの個体はぜんぜんバランスしてませんが名器は違う筈です。
まあ、あの900本も製作したストラディバリですら本当に素晴らしい楽器は10本程度と言われてますしね.そもそも二枚と同じ木は有りませんから、その素材毎に毎回形状数値も変化させて製作するわけですから1本1本感性を研ぎすませて作り上げて行くしかないのです.
ですから逆に巨匠の設定数値を真似てドンズバで製作しても毎回素材特性が異なるのが現実ですから毎回同じ設定で製作してしまってはダメなのだと言う事です。多くの製作家がその過ちを繰り返している様にワタクシは感じています。
写真の右側に映っているのは材の厚さを測るゲージですが、これをいくら駆使して同じ厚さで削ってもタップしたら響き方は微妙に違うんです。だからワタクシはあんまりこのゲージで計測しないんですね。重要なのは数値でなくて実際の響き方ですから。だからこうした計測数値よりも自分の感覚を優先します。それはギターでも同じです。
量産品だけです、材の個体差を無視して同じ規格で作られているのは。なぜならそれは楽器である前に製品だからです。
そもそも本当にスバラシイ楽器とは誰にでも作れる筈など無いのでして.選ばれた者のみが出来うるものなのでしょう。
もし努力さえすれば誰にも出来るのであるなら世の中にはもっと名器が溢れている筈です。長年の努力など通用しない「何か」 スバラシイ楽器製作にはそれが不可欠なんだと思います。
音楽だってそうでしょ?皆さんの様にギターも音楽も大好きだからって素晴らしいアーティストになれるかどうかは全く別問題。才能が有る事が「最低条件」なのだと思います。
う~ん、こんな説明でお分かり頂けたかどうかは少々疑問ですが、これでご勘弁を.


