個別報告 さいたま市のMさん
3/10 ヨコハマ晴れ あたたかい.
写真は先日作業見積もりをお出ししたMさんの某工房製FRTストラトのボディです.
いっしょに写っているのはリヤーPUの移動に伴う埋木材として引きずり出したメイプル材です.
この板材から埋木部分の木目に合った部分を切り出して接合加工するのです.
このボディはラミネート構造のボディですが、とにかく軽量です.同じサイズの良質なバスウッド材の方がぜんぜん重いです.こう軽いとダイナミクスが得にくいのでこの作業は苦労させられそうです.
ここでMさんにアドバイスですが、今回は元のPUは採用せずtmp製のRHRハムをご指定頂いておりますが、特にこの個体に対してハムバッカーをダイレクトマウント致しますと確かに音は締まるのですが、別な意味ではレンジが狭まり音の広がりが押えられてしまうんですね.
ですからここでワタクシからのご提案なのですが、単にベストポジションにPUを移動するだけでなく、ピックアップのダイレクマウント自体をやめて、エスカッション・マウントに変更した方が音楽的な表現力やダイナミクスやレンジ感の面でも良い結果が得られますよ、と言う提案なんです.
このボディのカラーリングを考慮するとアイボリー・エスカッションにRHRを吊るしマウントするのが一番良いと思いますが、いかがですか? お返事頂けるまではペンディングにしておきますね.
ちなみに、この写真から皆さんがお気付きになるかどうか分かりませんが、ボディといっしょに写っているメイプル材がこのボディのトップ材と同じ木目傾向にあるんです.まあ、ですから今回使うわけなんですが、この板材が表皮部分である事と側に枝が生えていた節目があることがお分かり頂けると思います.
これが典型的なソフトメイプル部分なんです.ですからtmpでは使うことなく庭に出してあったものです.でも家具や工芸品によく採用される日本人が大好きな木目ですよね~.
実は、なぜこうしたウジャウジャの木目が出るかがこの1枚の写真が示しているんです.
木には枝が生えます.それは当然木の表面から突き出して生えるわけですが、その枝部分は丁度歯の様に根っこがあるんです.写真の丸く黒っぽい部分がその部分を切断した木口なんですが、こうした木の表面で枝が生えている周辺にはこうしたウジャウジャ木目が出易いんです.(勿論材種によって異なりますが)そして枝が生える部分ですから木の高い部分に出易いということになります。
こうした頭上に位置する木の高めの表皮部分は日光を沢山受けています.特に生息する山の手前で日光を遮るものの少ない場所にこうした材が育ち易いのですが、同時に山の最前線に生える木は奥に生えている木より風の影響も強く受けます.当然突き出して葉を付けている枝は風を受けてゆさゆさ揺すられます.
その為に木はその風に耐え、折れない為に、木の枝の生えている周辺部分がフリフリ腰を振る様に捩じれる事で枝が折れてしまうことを自ら防ぎます.
その結果、その周辺にはこうしたツイストしたような複雑怪奇な木目が現れたりするのです.更にはこうした表皮部分のすぐ内側を根っこから吸い上げた養分を含んだ水分が吸い上げられる通り道になっています.これらの影響で木の表皮部分は柔らかく柔軟に育つのです.
木の根っこや芯の部分は木を支えている為に硬く、木の高めに位置する表皮部分は日光を受けたり風雨にさらされている為に柔軟な特性を備えていると言う訳なんです.そして本当にハイクオリティな楽器にふさわしい素材はこのいずれにも属さない密度の高い中間部分だけに育つのです.
その意味で多くの楽器には見た目優先で工芸品用みたいな木目の派手な素材が採用されているものにかえって高値が付いたりしているのが実情です.
家に飾って楽しむのでしたらそうした楽器でもいいのでしょうが、音楽が演奏されない観賞用楽器にどれほどの意味や価値があるでしょうかね~? ワタクシにはそんな楽器は気の毒に感じますね.
今回は分かり易い様にあえて大ざっぱな解説でしたが、少しは勉強になりましたか?(^ ^)
写真は先日作業見積もりをお出ししたMさんの某工房製FRTストラトのボディです.
いっしょに写っているのはリヤーPUの移動に伴う埋木材として引きずり出したメイプル材です.
この板材から埋木部分の木目に合った部分を切り出して接合加工するのです.
このボディはラミネート構造のボディですが、とにかく軽量です.同じサイズの良質なバスウッド材の方がぜんぜん重いです.こう軽いとダイナミクスが得にくいのでこの作業は苦労させられそうです.
ここでMさんにアドバイスですが、今回は元のPUは採用せずtmp製のRHRハムをご指定頂いておりますが、特にこの個体に対してハムバッカーをダイレクトマウント致しますと確かに音は締まるのですが、別な意味ではレンジが狭まり音の広がりが押えられてしまうんですね.
ですからここでワタクシからのご提案なのですが、単にベストポジションにPUを移動するだけでなく、ピックアップのダイレクマウント自体をやめて、エスカッション・マウントに変更した方が音楽的な表現力やダイナミクスやレンジ感の面でも良い結果が得られますよ、と言う提案なんです.
このボディのカラーリングを考慮するとアイボリー・エスカッションにRHRを吊るしマウントするのが一番良いと思いますが、いかがですか? お返事頂けるまではペンディングにしておきますね.
ちなみに、この写真から皆さんがお気付きになるかどうか分かりませんが、ボディといっしょに写っているメイプル材がこのボディのトップ材と同じ木目傾向にあるんです.まあ、ですから今回使うわけなんですが、この板材が表皮部分である事と側に枝が生えていた節目があることがお分かり頂けると思います.
これが典型的なソフトメイプル部分なんです.ですからtmpでは使うことなく庭に出してあったものです.でも家具や工芸品によく採用される日本人が大好きな木目ですよね~.
実は、なぜこうしたウジャウジャの木目が出るかがこの1枚の写真が示しているんです.
木には枝が生えます.それは当然木の表面から突き出して生えるわけですが、その枝部分は丁度歯の様に根っこがあるんです.写真の丸く黒っぽい部分がその部分を切断した木口なんですが、こうした木の表面で枝が生えている周辺にはこうしたウジャウジャ木目が出易いんです.(勿論材種によって異なりますが)そして枝が生える部分ですから木の高い部分に出易いということになります。
こうした頭上に位置する木の高めの表皮部分は日光を沢山受けています.特に生息する山の手前で日光を遮るものの少ない場所にこうした材が育ち易いのですが、同時に山の最前線に生える木は奥に生えている木より風の影響も強く受けます.当然突き出して葉を付けている枝は風を受けてゆさゆさ揺すられます.
その為に木はその風に耐え、折れない為に、木の枝の生えている周辺部分がフリフリ腰を振る様に捩じれる事で枝が折れてしまうことを自ら防ぎます.
その結果、その周辺にはこうしたツイストしたような複雑怪奇な木目が現れたりするのです.更にはこうした表皮部分のすぐ内側を根っこから吸い上げた養分を含んだ水分が吸い上げられる通り道になっています.これらの影響で木の表皮部分は柔らかく柔軟に育つのです.
木の根っこや芯の部分は木を支えている為に硬く、木の高めに位置する表皮部分は日光を受けたり風雨にさらされている為に柔軟な特性を備えていると言う訳なんです.そして本当にハイクオリティな楽器にふさわしい素材はこのいずれにも属さない密度の高い中間部分だけに育つのです.
その意味で多くの楽器には見た目優先で工芸品用みたいな木目の派手な素材が採用されているものにかえって高値が付いたりしているのが実情です.
家に飾って楽しむのでしたらそうした楽器でもいいのでしょうが、音楽が演奏されない観賞用楽器にどれほどの意味や価値があるでしょうかね~? ワタクシにはそんな楽器は気の毒に感じますね.
今回は分かり易い様にあえて大ざっぱな解説でしたが、少しは勉強になりましたか?(^ ^)
