休日はヴァイオリンの日
2/26 日曜日のヨコハマは肌寒い曇り空です.
写真のヴァイオリンは先日お話しした限界厚まで削り構成で製作した個体と同時に試験製作した3本の内の1本です.この個体は従来のヴァイオリンよりは削り込みをしてありますが、おそらくはこの材厚設定が最も理想的だろうと予測した設定の個体です.
ワタクシの見解では従来の典型的なヴァイオリンの削り設定では、まだ余分な肉が付き過ぎているし、内部歪みや変形を起こし易い削り構成と判断していますので、この個体はその部分を削り込みした設定と言う事になります.
先日の極限厚設定の1本とこの個体の2本とは別にその中間設定の3本が自分の身体に覚え込ませたい材厚を探る為の試験モデルです.
長い間、試作専門みたいな仕事をして参りましたので言ってみれば僅かな削り具合の違いですが身体が覚えているんですね.ちゃんと違いを感じながら作業しているからです.
その材厚の違いとは、よく駅弁なんかで使われている薄い木の箱がありますでしょ?あのフニャフニャの駅弁の薄い板材の厚さ半分程度の違いです.
この写真の個体ですが実はこれで3回目のセットアップなんです.既に2回ここまでの状態には成っているのをまたバラして削り修正してネックの指板接着面のR加工など、最終的な t.m.p Violin 独特の設定に作り替えたものです.勿論その都度ニスも塗り替えています.
わざわざダメだろうと分かっている設定で試作器を作ったりするのもワタクシのこれまでの経験上得た手法です.自分の中に疑問点を残さないのが目的の手段と言い換えてもいいでしょうね.
ワタクシにとりましてはあのストラディバリがこうしているから、って理由だけで全てを模倣設定するのは、ある種堪え難いです.だったらヴァイオリン製作なんかやらないです.あくまで自分の中から滲み出て来た手法で確立すべきと思うからです.
実は一度身体にこうした経験をさせておきますとオモシロい反応が身体に身に付くんです.
それはダメ設定の楽器も一旦はまともな完成形にしてチェックするワケですからダメさ加減が分かった時点でワタクシの身体や感性は「あんなに苦労して作り上げたのにあの削りが適切じゃなかった為にダメ楽器になってしまった」とがっかりしてそれをしみじみ感じ入る訳です.するとそれが分かった時点から同じ削り設定では削れなくなるんです.これ以上は削りたく無い、足りない場合はもっと削りたいって.
正解/不正解のデータがインプットされるんでしょうね、たぶん.
もうあんながっかりする思いはしたくない、って.
要するに、まだここの削りが足りないとか、もうこれ以上ここは削ってはいけないとか、身体が勝手に判断して行く様になれるんです. これってスゴイと思いませんか?
二度と同じ失敗をしたく無いって身体が勝手に判断して、その素材に於いての理想を探って判断しているってことです.
勿論これも個人見解ですが、一度自分の身体に楽器の生死の境目を見極めさせると決してそれを忘れないんだろうと思っています.だから面倒であってもいい楽器だけを作れる職人になる為には設定上の上限下限の双方の境目を知る作業は重要な体験だと考えています.
t.m.p 設立してからこれまではエレキ中心の製作でしたのでギター関係ではその感性が身に染みて備えることが出来ました.その為に鳴らない楽器を持ち込まれても、即どこが原因か、どうすればどう出来るるか、が考えなくても判断出来る様になりました.
今はヴァイオリンでも同じ能力を身に付けたいと自分で願っています.
後輩達に少なからず参考になればと願ってこのブログを書きました.
写真のヴァイオリンは先日お話しした限界厚まで削り構成で製作した個体と同時に試験製作した3本の内の1本です.この個体は従来のヴァイオリンよりは削り込みをしてありますが、おそらくはこの材厚設定が最も理想的だろうと予測した設定の個体です.
ワタクシの見解では従来の典型的なヴァイオリンの削り設定では、まだ余分な肉が付き過ぎているし、内部歪みや変形を起こし易い削り構成と判断していますので、この個体はその部分を削り込みした設定と言う事になります.
先日の極限厚設定の1本とこの個体の2本とは別にその中間設定の3本が自分の身体に覚え込ませたい材厚を探る為の試験モデルです.
長い間、試作専門みたいな仕事をして参りましたので言ってみれば僅かな削り具合の違いですが身体が覚えているんですね.ちゃんと違いを感じながら作業しているからです.
その材厚の違いとは、よく駅弁なんかで使われている薄い木の箱がありますでしょ?あのフニャフニャの駅弁の薄い板材の厚さ半分程度の違いです.
この写真の個体ですが実はこれで3回目のセットアップなんです.既に2回ここまでの状態には成っているのをまたバラして削り修正してネックの指板接着面のR加工など、最終的な t.m.p Violin 独特の設定に作り替えたものです.勿論その都度ニスも塗り替えています.
わざわざダメだろうと分かっている設定で試作器を作ったりするのもワタクシのこれまでの経験上得た手法です.自分の中に疑問点を残さないのが目的の手段と言い換えてもいいでしょうね.
ワタクシにとりましてはあのストラディバリがこうしているから、って理由だけで全てを模倣設定するのは、ある種堪え難いです.だったらヴァイオリン製作なんかやらないです.あくまで自分の中から滲み出て来た手法で確立すべきと思うからです.
実は一度身体にこうした経験をさせておきますとオモシロい反応が身体に身に付くんです.
それはダメ設定の楽器も一旦はまともな完成形にしてチェックするワケですからダメさ加減が分かった時点でワタクシの身体や感性は「あんなに苦労して作り上げたのにあの削りが適切じゃなかった為にダメ楽器になってしまった」とがっかりしてそれをしみじみ感じ入る訳です.するとそれが分かった時点から同じ削り設定では削れなくなるんです.これ以上は削りたく無い、足りない場合はもっと削りたいって.
正解/不正解のデータがインプットされるんでしょうね、たぶん.
もうあんながっかりする思いはしたくない、って.
要するに、まだここの削りが足りないとか、もうこれ以上ここは削ってはいけないとか、身体が勝手に判断して行く様になれるんです. これってスゴイと思いませんか?
二度と同じ失敗をしたく無いって身体が勝手に判断して、その素材に於いての理想を探って判断しているってことです.
勿論これも個人見解ですが、一度自分の身体に楽器の生死の境目を見極めさせると決してそれを忘れないんだろうと思っています.だから面倒であってもいい楽器だけを作れる職人になる為には設定上の上限下限の双方の境目を知る作業は重要な体験だと考えています.
t.m.p 設立してからこれまではエレキ中心の製作でしたのでギター関係ではその感性が身に染みて備えることが出来ました.その為に鳴らない楽器を持ち込まれても、即どこが原因か、どうすればどう出来るるか、が考えなくても判断出来る様になりました.
今はヴァイオリンでも同じ能力を身に付けたいと自分で願っています.
後輩達に少なからず参考になればと願ってこのブログを書きました.