経過報告 | tmpブログ

経過報告

11/14 ヨコハマ晴れ.

塗装日和で助かります.写真は各工程中のボディやネック達です.
真ん中の生地ネックは今回あたらに仕上げているカスタム仕様のストラト用ネックです.
「これでいい音しないわけがないじゃない」って言い切れる程の素材です.知人より入手済みのFJ製ストラトのボディにフルチューン仕様で組み上げて行く予定です.現在開発中のリヤー専用のハンバッカーが完成したらSSH仕様のストラトとして完成させます.

もう1枚はベーシストRK氏の55B-5/TJです.本日はここまで組み上げています.
ここまでやったなら最後までやっちゃえばいいのに、って思われるかも知れませんが、ワタクシは経験上、時間が許される限りは1回の作業は40~45分程度を目安に一区切りと考え、それ以上はいっきに進めない様にしています.これは集中力の問題ですね.

いくら頑張ってみたところで1時間も2時間も同じテンションで集中力を持続するのには人間無理が有ります.最終的に楽器を手にした依頼主にこちらの至らなさを押し付ける様な事は出来る限り避けなくては行けませんから集中力を持続可能な時間内でしか各作業は行わない様にしています.

この個体も45分程作業したのちに次は気持ちを切り替えて全く別な個体の作業を短い休憩を挟んで同じく45分程度行なっています.次は塗装の作業であったり木工加工であったり様々と内容を変化させてモチベーション維持に努めています.

これが量産の製造ラインに行ってごらんなさい.1ロット/30~50本程度のライン仕込みで同じモデルが連続で30~50本流れて来るんですよ.しかもそれが大手メーカーでは1日数ロットも流れ生産するんですからね.ワタクシには全く不向きなのがこうした量産現場です.
もうあれだけ同じものを何十本と作り上げるなんて、とてもじゃないけど楽器を作ってるなんて思えないですもん.正直うんざりして来ますよ、どんな人でも.

こう言うと誤解されるかもしれませんが、決して「だから量産品なんて買うな」って言ってるんじゃ無いですからね.
そうじゃなくて、もし、ご自分の演奏能力からして市販品じゃあ物足りないと感じたなら「高価であったとしても、元々楽器として手工製作された製品を手にして下さいな」と言いたいわけですよ.

量産現場の方々は必死で作業してるんですよ.はっきり言って安い賃金で皆さん一生懸命働いてらっしゃいます.それを「安モンはやっぱ、どーしょーもないな」と見下げないでやって欲しいと思うのです.

世の中には一時的に妙にエレキが弾きたくなったりする時期ってありますでしょ?アナタもかつて、そうだったんじゃあありません?一時やったら夢中になって楽器店を回ってはどれにしよう?どれがいいのか?って探し歩いた経験をお持ちの方も多いんじゃないでしょうかね.

で、そうして一時夢中になって「なんだかちっともウマく弾けるようにならないし・・」ってやめてしまう方の方が圧倒的に多いのが一般の現状です.そうした方が高価な手工品を手にしたところで一時所有欲が満たされただけで、そこから新しい音楽が生まれる訳でも何でも無いわけです.眺めているだけの対象.だったらそうした方々には量産品で充分なワケです.
プログラミング・マシンでガンガン加工して分厚いポリ塗装で覆われ、工場周辺在住のオジさんオバさん達によって1日何十本も組み上げられるモデルに名の知れたピックアップでもマウントされてれば充分でしょう.
そんな製品に対して、あれはあーだ、こーだと、イイ、ワルイとって言っても、そもそも楽器としてなんて作ってられる値段の製品じゃないんですからね.製造現場の人達にしてみれば「文句あんならもっと高い金払ってから言えよ」って事でしょうからね.
安い製品に音がどーのこーのと言ってくれるなよ、ってのが本心だと理解して上げて下さいね.

たぶん皆さんもtmpのブログを読んでるくらいでしょうから、かなりの楽器好きの方々と言えるとは思いますが、もし皆さんが量産現場に入ったなら、1日8時間何十本もペグを取り付ける係の人はその作業を一日中やらされるのです.しかもそれが1年中/毎日続くんですよ.そんな作業を情熱を維持しながら生き甲斐を感じつつ出来る人が何人いらっしゃるでしょうか? 
正直、多くの方が「情熱込めてなんかやってなんかいらんねーよ」って思うんじゃないでしょうかね?

でも中には「オレはこれだけギター好きだし、弾けるし、作るのも好きだから現場に入ってもきっとオバさん達よりいい仕事出来ると思う!」って方もいらっしゃるかも知れませんねえ.
実際、そうした若者がこれまでにも沢山現場に入ってますが、殆どが消えちゃうんですよね途中で.

この世界で生涯を製作家で通せる人間は志望者数百人に対して一人程度だろう、と大昔に耳にした事がありましたね.まんざら外れてもいなかったな、と思います.

それはともかく、10万もしない量産製品があるからこそ、初心者さんがギターやベースを手にして、その一部から上級者さんになられる方も出て来る訳です.そして更にその中からごくごく一部では有りますが音楽家と人に認められるレベルの方達も誕生して来る訳ですね.

そうした音楽家の感性を刺激し、より深く音を追究する奏者のパートナーとなれる楽器を創りたいと言うのが製作家であるワタクシのテーマです.
フェンダーの、ギブソンの、何年モデルのオールドだとか、それ以外眼中に無いマニア的な楽器愛好家には必要無いのがワタクシの創り出す楽器なのでしょうね. でも、それでいいでしょう.(^ ^)

$tmpブログ
$tmpブログ