参考までに
9/1 9月がスタートです。台風接近中。
先日、ベリー材でホロウモデル用にトップ板を製作中に「出来ればこの時点でTELESAかCCR-312をオーダーされたい方はご相談頂きたい」と記載した関係でオーダー希望の方から問い合わせを戴いております。
まずホロウモデル自体が基本的にはソリッド仕様とは異なり、設定された空間容積で素材構成が全く同じであっても箱鳴り/エアー感が異なります。
tmpでは大まかに分類した場合、シンライン・モデルの様にセンターブロック以外がくり抜かれたライト設定、センターブロックにも一部空間設定したミディアム設定、トップ材とバック材がかなり分離して内部空間が多いフルボディ設定の3パターンで基本的な音作りを行なっています。
これによってホロウモデルとしてのソリッド感/エアー感の設定バランスを決定します。
その上で写真の様に(この写真ではトップ材)材種の違いによる響き方の違いを音作りに応用して最終的に与えたいトータルなサウンド特製へと構成して行きます。素材の違いによるサウンドの違いとは根本的に歪み方の違いなんです。音の違い=歪み特製の違いで千差万別ですから、はっきり言って、素人があーだーこーだ考えたところで、到底判断出来るような分野では無いんです。
この様に限られた素材の組み合わせであっても組み合わせはかるく数百種にも及びますので、ご自分で判断する事は時間の無駄です。プロの職人と言えども様々なパターンで楽器製作のトータルな研究を行なった人間でなければ無理ですね。要するに楽器の製作自体はベテランであったとしても音作りに於いては的確な判断し切れない世界だと言う事です。なんせ相手は二枚と同じものが無い天然木材ですからね。個体判断が出来なくちゃいけませんから。
たまたまワタクシは本来が試作開発が専門でこんな複雑な音作りの研究の専門ですから逆に大得意なんです。
これ以外に重要なのがスケール設定ですね。
大まかにはフェンダーのロングスケール設定とギブソンのミディアムスケールの2種から決定します。
全く同じ材構成で同キャラクター設定であってもスケールがミディアム設定では音の指向性が強まり弦長が短い分での音の立ちも早いですからロングスケールの様なワイドレンジ感は少なく楽器自体の歪みも抑えられています。
昔からエレキギターの世界ではワイルドなコード弾きや音の歪み方でロングスケールを好む人の方が全体的には多いですね。ストラトもロングスケール設定であったからこそのキャラクターです。
ここで余談ですが、どーも昔から楽器はデタッチャブルのネックセット方式よりセットネックの方が格が上の様に見られている様ですが、これは明らかに偏見ですね。勿論、ネックとボディのセパレート製作が行なえる大量生産可能なメリットは象徴的な部分ではありますが、本来は楽器自体の音楽的なキャラクター設定上からセレクトすべき部分です。
これはセットネック方式自体がボディ自体が箱モノ構造の弦楽器のネック接合方式であって、エレキギターの様にボディが板材によるソリッド構造主体の楽器には音作り上では不向きなケースも沢山出て来てしまうのです。
例えば、セットネックの方がよりいいだろうと思ってストラトをセットネック構造で作ったとします。
その場合に出音/サウンドキャラクターは全く別物になってしまうのです。
音自体はタイトな締まったサウンドにはなるのですが、音の指向性が強まる為に音の広がりは狭まり、また音が長く余計に響く為に音の切れが悪くなります。あのフェンダー系ならではのカッティング・サウンドではなくなってしまうので昔は数機種製造されたストラトのセットネックやスルーネックギターは結果的に姿を消しました。早い話ストラトの音じゃなくなってしまうからです。
この例からも分かる様にどちらがグレードが上かの問題じゃなく最終的に与えたい特性で判断すべき事なのです。セットネック=鳴りが優れてる な~んてのは大きな勘違い。
逆にデタッチャブルで優れた楽器を作る方が断然難しい作業ですよ。
あ~また解説が長くなって来ちゃいましたね。では続きは次回。
先日、ベリー材でホロウモデル用にトップ板を製作中に「出来ればこの時点でTELESAかCCR-312をオーダーされたい方はご相談頂きたい」と記載した関係でオーダー希望の方から問い合わせを戴いております。
まずホロウモデル自体が基本的にはソリッド仕様とは異なり、設定された空間容積で素材構成が全く同じであっても箱鳴り/エアー感が異なります。
tmpでは大まかに分類した場合、シンライン・モデルの様にセンターブロック以外がくり抜かれたライト設定、センターブロックにも一部空間設定したミディアム設定、トップ材とバック材がかなり分離して内部空間が多いフルボディ設定の3パターンで基本的な音作りを行なっています。
これによってホロウモデルとしてのソリッド感/エアー感の設定バランスを決定します。
その上で写真の様に(この写真ではトップ材)材種の違いによる響き方の違いを音作りに応用して最終的に与えたいトータルなサウンド特製へと構成して行きます。素材の違いによるサウンドの違いとは根本的に歪み方の違いなんです。音の違い=歪み特製の違いで千差万別ですから、はっきり言って、素人があーだーこーだ考えたところで、到底判断出来るような分野では無いんです。
この様に限られた素材の組み合わせであっても組み合わせはかるく数百種にも及びますので、ご自分で判断する事は時間の無駄です。プロの職人と言えども様々なパターンで楽器製作のトータルな研究を行なった人間でなければ無理ですね。要するに楽器の製作自体はベテランであったとしても音作りに於いては的確な判断し切れない世界だと言う事です。なんせ相手は二枚と同じものが無い天然木材ですからね。個体判断が出来なくちゃいけませんから。
たまたまワタクシは本来が試作開発が専門でこんな複雑な音作りの研究の専門ですから逆に大得意なんです。
これ以外に重要なのがスケール設定ですね。
大まかにはフェンダーのロングスケール設定とギブソンのミディアムスケールの2種から決定します。
全く同じ材構成で同キャラクター設定であってもスケールがミディアム設定では音の指向性が強まり弦長が短い分での音の立ちも早いですからロングスケールの様なワイドレンジ感は少なく楽器自体の歪みも抑えられています。
昔からエレキギターの世界ではワイルドなコード弾きや音の歪み方でロングスケールを好む人の方が全体的には多いですね。ストラトもロングスケール設定であったからこそのキャラクターです。
ここで余談ですが、どーも昔から楽器はデタッチャブルのネックセット方式よりセットネックの方が格が上の様に見られている様ですが、これは明らかに偏見ですね。勿論、ネックとボディのセパレート製作が行なえる大量生産可能なメリットは象徴的な部分ではありますが、本来は楽器自体の音楽的なキャラクター設定上からセレクトすべき部分です。
これはセットネック方式自体がボディ自体が箱モノ構造の弦楽器のネック接合方式であって、エレキギターの様にボディが板材によるソリッド構造主体の楽器には音作り上では不向きなケースも沢山出て来てしまうのです。
例えば、セットネックの方がよりいいだろうと思ってストラトをセットネック構造で作ったとします。
その場合に出音/サウンドキャラクターは全く別物になってしまうのです。
音自体はタイトな締まったサウンドにはなるのですが、音の指向性が強まる為に音の広がりは狭まり、また音が長く余計に響く為に音の切れが悪くなります。あのフェンダー系ならではのカッティング・サウンドではなくなってしまうので昔は数機種製造されたストラトのセットネックやスルーネックギターは結果的に姿を消しました。早い話ストラトの音じゃなくなってしまうからです。
この例からも分かる様にどちらがグレードが上かの問題じゃなく最終的に与えたい特性で判断すべき事なのです。セットネック=鳴りが優れてる な~んてのは大きな勘違い。
逆にデタッチャブルで優れた楽器を作る方が断然難しい作業ですよ。
あ~また解説が長くなって来ちゃいましたね。では続きは次回。