経過報告 町田市Hさん | tmpブログ

経過報告 町田市Hさん

8/24 今日のヨコハマは晴れていますが、まだ少し湿度が高くて塗装作業はペンディング中。
現在、湿度計とのにらめっこですわ。

写真はHさんの以前にフルチューン・ナップしたフェンダーJBに付け替えるスロープヘッド仕様のネックを製作中のショット。

元々はHさん、このJBのゲージを055~110にゲージアップする目的で持ち込まれたものですが、この太さの弦に長年耐えられるのは元のネック本体に余程強度が無い限り、いずれヘッドもネック本体も変形します。基本的に、このゲージに普通に耐え切るのはスロープヘッド構造にした場合のみです。
また、元々このネックは残念な事に強度の低い個体ですよと以前のチューン受付時にお話ししてあったネック個体でしたので、今回はネックごとtmp製のスロープヘッドネックに交換する事にしています。

そもそもエレキベースが世に出た当初はこの055~110ゲージがメインで張られていたのですが、フラットヘッド構造のフェンダー・ネックはこの張力に耐え切れずヘッド面がめくれ上がってしまいます。変形してしまっているオールド楽器をよ~く見受けますね。
この症状は多くの場合、購入した本人も販売した店員さんも気づいていない事です。

参考までに申し上げますと、いかに古い楽器とは言え、このベースはずいぶんデッドな響き方をしてるなあ~と感じたら、ほぼ間違いなくヘッドがめくれ上がっていますね。古い楽器は製造当初にそうした太い弦を張られていましたから、その後ゲージを細いものに変えてもめくれ上がったヘッド面の影響で正しい響き方が出来ずデッドポイントが増加しています。

ワタクシは以前からオールド楽器などを購入する際にメールで写メを送って下されば、状態判断のアドバイスを無料で差し上げているのですが、フェンダー系のベースなどの場合は必ずヘッド側面からのショットを要求しています。それはこのヘッドのめくれ具合を確認する為なのです。

あらためて言っておきますよ。
鳴らない楽器も鳴る楽器も必ずそれなりの理由があっての事。偶然に鳴ってる、鳴ってないのではありません。
市販の楽器は取り敢えず問題なく音が出ていればOKと判断されて店頭に並んでいるに過ぎません。製品製造に於いて鳴りがいいかどうかなんて判断基準外なのです。だからこそ入手後に専門家の手でチューンナップされるべきが、本来楽器というものなのです。
市販品のままで楽器を判断するのは基本的に間違っています。電化製品じゃないんですからね。
tmpが部分修理は受けずにチューンナップと言う作業ジャンルを確立して行っている理由もそこにあります。
ですから本来、楽器を購入したら次はチューンナップ依頼すべきです。
可能であるなら製造現場に行ってごらんなさい。アナタの楽器を作っているのは何十人にも及ぶパートタイマーのおじさん&おばさんの流れ作業ですから。 
それが現実。それをお忘れなく。

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