経過報告 札幌のOさん | tmpブログ

経過報告 札幌のOさん

8/3 なーんと言うか、こう湿度が高いと集中力が途切れがちになりますね。
作業場はクーラーを効かせてはいるんですが、室内湿度が70%を超えています。(>_<)

ネックの塗装塗膜の硬化がほぼ整ったOさんのレスポールに今日はフレットの打ち込み作業です。写真は打ち込んだ直後のショットで未整形状態。キツ過ぎていたネック仕込み角に対して指板上面角の修正を兼ねてのリフレット作業でした。

修理出しで気をつけなくては行けない点ですが、そもそもリペアー作業では「リフレットお願いします」と依頼した場合、ネックの仕込み角が強かろうがそこは指定外として角度はそのままの状態で指板調整とリフレットが行なわれます。
そこが修理と楽器自体の本質的な部分に手を入れ「作り替える作業」のチューンナップと大きく異なる点です。
じゃあ次回から地元のリペアーショップにリフレットして貰う際に「理想的な角度にした上でリフレットをお願いします」と依頼しても「ふつーこの手は4度ですからこんなもんですよ」程度の対応で済まされてしまう事が殆どでしょうね。でもそれは仕方が無い事なのです。

そもそも部分修正がリペアーの基本ですから本質的な設定部分のノウハウは持ち合わせていないリペアーマンが多いのが実情です。理想的なリペアー・マンとは優れた楽器自体を設計製作出来る人が修理作業を行なっているケースですね。まず滅多に居ないでしょうけど。
通常の修理屋さんレベルでは、余計な事しちゃってお客からクレームが来るのを何よりも恐れていますから無難に言われた部分だけ手直しするのが基本です。結果が音質的にどうであったかは責任の範疇外なのです。
「アナタがここを修理して下さいって言ったからそこだけを直した訳で、その結果で音がどうのこうの言われても困るんですよね」って言うのがリペアーのスタンスで基本的に責任を負わないのです。
ですからリペアー・マンとしては修理の範疇を超えたそれ以上の結果を求められても困るのです。そう言うものだと認識して下さいね。

ですから、リペアーが出来る人だから=チューンナップが出来る人、と言う判断は全くの間違いですから注意してくださいね。
設計製作ノウハウを応用して行なうのがチューンナップですから、かなり高度なノウハウと経験と技術的なテクニックを要する作業ですし、最終的なサウンドの落としどころを見越しての作業ですから作業終了後に元より楽器としてのクオリティが高まっていなくては意味が無いのです。
その為に悪い部分だけを手直し出来ていればOK!と言う修理とは根本的に作業レベルが異なるのです。
設計製作の専門であり、チューンナップ作業を確立したワタクシが言うのですから、その点は今後の参考にされて下さいね。事実、毎回確実に結果を出すと言うのは難しいんですよ。

$tmpブログ