幾度やっても | tmpブログ

幾度やっても

5/16 ヨコハマ晴れには晴れてますが午後から曇り出しました。
明日は雨が降るそうなので午前中しか塗装は出来ないと判断してトップコーティングがまだ必要な個体のみ塗装を行ないました。写真がその中の1本でバスウッド材の55B-JJ(チャコール・ブラック)

そして朝一からセットアップが近づいているカスタム2本に最後の燻煙処理を行ない、塗膜の完全硬化を進めています。

この2本はTELESAとTB-4ですが、TELESAがトップ材、そしてTB-4はソリッド仕様での針葉樹材ですから、この最後の最後の燻煙処理が怖いんです。
ここまでの充分な燻煙処理で目痩せもさすがに収まるだろう、というところまで燻煙処理を済ませているのですが、この針葉樹材はスプルースの倍くらい冬目と春目の硬さの差が激しく出る素材でして、柔らかな春目と硬い冬目で目痩せ具合が極端に異なる為、最後の燻煙処理で更に春目が痩せた場合、最後の塗膜研磨が行なえなくなってしまうんです。
そうした極めて扱いが難しい材ですが、スプルースを上回る豊富な倍音、音の張りや腰、そしてレスポンスの素晴らしさが得られるので、普通の素材の2割程度のコストアップではまだ見合わない程、面倒な素材でありますが、何度苦労させられても使いたくなる素材なんです。


とにかく、もし今回の最後の燻煙処理が終わった後でまだ春目の痩せが込んでいた場合、全体の燻煙によってまとわりついている煙の脂膜をキレイに落としてから再度コーティングを施す事になります。
何と言っても、ポリ塗装のユーズド楽器ですら燻煙後は目痩せするくらいですからね、ましてや新品素材の針葉樹材ですから更に目痩せが起きても何の不思議は無いわけですが、作業者としては正直辛いです。

ここまで何ヶ月も掛けて塗膜を作って来たわけなので、更にコーティングをしなくてはいけないのは出来れば避けたいのが正直なところです。でも、ダメならもう一度コーティングしなくちゃねえ。
(-。-;) 燻煙庫から出してその具合を見る時が幾度やっても怖いですわ。


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