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個別報告 滋賀のHさん

5/11 ヨコハマ雨天。もう梅雨入りしたかの如くの一日です。
当分、塗装も燻煙も出来そうにありませんね。

写真はチューンナップが終了直前のHさんのCS製レスポール。
予定通りの作業が終了出来ています。写真でお分かり頂けるかと思いますが、2ヴォリューム・LCV・マスター・トーン回路に変更してのサーキット変更です。メインのホットラインの引き回しは全てお手製のクライオ・フラットケーブルで配線処理されています。

*M・トーン用のポットとコンデンサーは元々のものを流用してあります。

また、リヤー・ピックアップが若干センター・ズレを起こしていたので修正し、またブリッジの弦溝切りも弦ピッチの溝間隔が若干狭過ぎるのとズレていたピックアップに合わせて溝切りをされた影響で溝全体が正面右側にズレを生じておりましたので、一旦ブリッジサドルのトップを一山落として全体の溝切り修正を行なってあります。

また今回はペグロケーションに問題が無かった為に手を加えてありませんが、本来ペグ穴はブッシュ径とペグシャフト径の2段加工が望ましいのですが残念ながらこの個体はブッシュ径で貫通穴加工がなされておりました。
ブッシュ径による単一の貫通穴の場合、シャフトに張力負荷が架かり過ぎる傾向が出る為にペグの精度寿命が短くなるのとブッシュ浮きが起こり易い傾向が出ます。将来現状のペグに遊びが出て交換時期を迎えた際にはヘッド裏面から5ミリ程の厚で埋木加工を行なってペグのシャフト径に開け直しての2段加工を行なうべきでしょう。このシャフト径設定を行なうと弦振動がシャフトからもダイレクトにヘッドに伝わるのとブッシュに集中する負荷が分散されペグの寿命も延びます。

あえて今回その作業を行なわなかったのは折角所有者さんが新品ペグに付け替えたばかりの様子でしたし、そのペグのシャフト径がゴトー製クルーソン・タイプのペグシャフト径と異なる為に、次にどこ製のペグに付け替えるかによって加工径を決定すべきと判断したからです。現状のタイプよりシャフト径はゴトー製の方が細身でしたが精度自体はゴトー製の方が明らかに高そうでした。

その他では、今回は現状のピックアップのままですのでピックアップに於ける音の線は細めのままですが、本体の鳴りやダイナミクスは今回のチューンだけでもかなりアップしていますので結果的に問題は感じさせないグレードのサウンドになっています。生鳴りとアンプからの出音の差異を確認の上で tmp製ハムバッカーへの交換を行うかどうか、ご自分でご判断されてください。

この個体は最終仕上げが終了次第、お手元にお届け致しますのでお楽しみに。
と同時に本日は次の依頼者の方のチューンナップもスタート致します。


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