コレクション? | tmpブログ

コレクション?

3/4 ヨコハマそこそこの晴天。でも寒いです。

左の写真は本日半日掛かりで仕上げたTELESAセミホロウ用のトップ板です。そして右は素材違いや設定違いでストックされているトップ板の皆さん方です。
ワタクシにはある種、可愛いコレクション・アイテムみたいなもんです。(^ ^)

本日完成させたマホ系のトップ材の元素材は5年程前に板材入手したものですが、その時点で2mオーバーのサイズで100キロぐらい重量もありましたが、裁断し挽き割りを重ね、徐々に薄くし、狂い出しを行なっては修正を重ねて最後に2枚に挽き割ってブックマッチで接いで、最終的にはこんな感じ仕上がったわけです。

メーカーさんではこうした原木に近い状態から加工作業を自社で行っている場合は少ないです。大型の木工機械を備えた外注会社に楽器サイズまで板材を挽き割って貰った上で納品されているケースが多いです。
ですからそれこそ典型的な分業で製品は製造されているわけですね。

そんな関係で今では設計から素材選び、そして加工作業から最終セットアップに至までの全ての行程を一人でこなせる人はメーカーさんには一人も居なかったりする事は珍しい事ではありません。それほど分業化されています。
ちなみに、手工品と銘打った製品で楽器に製作者っぽくサインが入っているものを見受けますが、そのシグニチャーも品質管理責任者の方のサインであって、実際にはあくまで分業製造されたものであり、その責任者の方は楽器の全行程を一人で作り上げる事は出来ない方である場合が殆どです。

分業化の中ではなかなか優れた技術者は育ちにくいですから、これもある種、分業化の弊害と言えるかもしれません。これは国内に本格的な製作家が育たない要因のひとつになっているとも考えられます。

こうした現状ではますます中国などで同じ様に分業化で生産された似たような製品ばかりが溢れ、いずれ国内のメーカーは製造に行き詰まり、中国産の製品を国内販売するだけの商社化が進むでしょうね。国内の楽器店に中国製ばかりが並ぶ日も遠くはないでしょう。たいへん残念に思います。

それにしても、そろそろ暖かくなって欲しいですねえ。

$tmpブログ
$tmpブログ