リハビリ・ウィーク | tmpブログ

リハビリ・ウィーク

2/26 今日もヨコハマ快晴。暖かいです。

写真はマホ系の板材を挽き割ってブックマッチ接ぎの前段階でのショット。
この素材は正確にはアフリカ産の欅系でマホガニー・トーンを備えながらマホよりも腰が強く粘る素材です。強度が高いのに硬くて倍音が得にくいサペリとかブビンガとは異なりより楽器向きです。
但し加工し易い材ではないのが難点。

セミホロー構造のトップ材にマホを使いたい場合、それは取りも直さずトップの響きにマホのトーンが欲しいからですが、実際にはホンジュラスマホであっても強度の為に柾目に近い木取りをしないと腰砕けのサウンドになってしまいがちで、薄めの材厚に設定するとチープな響きしか得られない傾向が如実にあります。なんだこりゃ、ベニヤ材かっ!って感じ。( ̄ー ̄;)

また柾目木取りは基本的に面積の広い楽器(フルアコやアコギ)には構造強度が必要ですから向きますが、面積の狭いエレクトリック系には表情の乏しいオモシロく無い鳴り方になりがちなんです。キッチリしてたりフラットであったりとメリットは勿論あるのですが、ピッキングニュアンスの違いの差が出にくかったり倍音が整理され過ぎていて無表情的な響きをするのでワタクシは柾目のトップ材仕様はあまり採用しないんです。 なに気取ってんだ、ちゃんと歌えよ! まあ、そんな感じ。
ですからワタクシは基本的にトップ材には響きが豊かで強度も出せる順柾目木取りしか行なわないのです。

皆さんだってそうでしょうけど、例えば見た目がキレイな女子だとしても、あまりに喜怒哀楽に乏しいと、一緒に居てもつまんないでしょ? 嬉しいんだか楽しいんだか、よく分からない女子って。

そんなワケで実際にはマホガニー材ではないのだけれど、欲しいトーンが得られて柾目木取りしなくても強度も充分であり、倍音も豊かでありながら腰があるので音砕けせず、レスポンスも良い。
あえてマホ材でなく採用しているのがその理由です。

しかし、コイツがエラク重量級でして、長さ2m超、厚さ70ミリ、幅600ミリのサイズで100キロ程あるんです。それをひとりでサーフボードみたいに抱えて移動したりひっくり返したりして裁断していくのですが、その際に全身の骨がギシギシきしんで縮む思いがするんですね。
同じ重量でも人間を抱え上げる方が遥かに楽です。1枚のこの材の裁断作業でその後の数日間は身体がガタガタになります。

そうした手強い素材を写真のトップ材用にまで寝かして加工してを繰り返し、徐々に最終サイズにまで挽き割っていくのですが、その作業の代償が言ってみれば今回のワタクシの手術の原因となっているわけですね。背骨の軟骨が擦り切れて無くなり骨同士がぶつかり合う様になってしまうワケです。

量産工場ではフォークリフトがあったりスタッフが何人も居たりしますから身体の負担はぜんぜん少ないのですが個人製作家の場合はそんなわけにもいかないのが現状です。

以上、今週はリハビリ・ウィークでしたから1日4時間作業でしたが、来週はそれを6時間にまで延ばすつもりです。3月の中旬には1日8時間作業に戻しますが、今後はそれ以上の作業は行わない様にするつもりです。
そんなワケでして、今後tmpの営業時間は17時までとなりますのでご了承下さいませ。m(_ _ )m

とは言え、明日は日曜ですが来客の都合で休めません。仕事である以上は仕方ないですねえ。( ̄  ̄)


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