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個別報告2件

7/12 ヨコハマど~んより曇ってますね。湿度も高いです。

写真左は長野のHさんの07年製CCRでホンマホのHP仕様であったものをリヤーをハンバッカー仕様に作り替える為に元のリヤー・キャビティーの埋木加工を行っている時点でのショット。
この後の工程でハム仕様のキャビティ加工を施して元穴の埋木露出部分だけ塗装修正を行う段取りです。その他はネックのスロープヘッド化作業は塗装処理を残すのみのところまで終了済みです。

もう1本は港区のMさんご依頼のチューンナップ作業品で本日からバラして作業進行させています。
国内のカスタム製作品の様で、ご本人は中古で入手されたとの事ですが、入手時の金額をお聞きしたら結構な金額でした。しかし音が軽く腰が無くアンサンブルで音抜けしない点を何とかして欲しいとのご要望でした。
ご相談時点でご本人はフルチューンをお望みの様子でしたが、受付時点での個体チェックでなるべくコストが掛からない内容でまとめるべきと判断致しました。勿論それには理由があります。

この楽器の最大の問題点はここまでヴィンテージ・ルックスに拘って作られているにも拘らず、弦長設定がオリジナル・ギブソンよりも長い事です。これは国産のミディアム・スケール設定でよく見かける仕様ですが、指板のフレッティング自体が12フレット位置で既にオリジナル・ギブソンより数ミリ長くブリッジ位置での弦長では5ミリ近く長いのです。これはある意味で致命的な設定差です。こうした場合はこの時点でオリジナル・レスポールサウンドの再生は不可能ですから、あくまでこのスケール設定上でより良い状態にまとめてあげるべき作業となります。

基本的な作業は燻煙以外ではペグのロケーション変更。現状ではこの個体のオリジナル設定位置になっていますので全て埋木加工して設定をやり直しロケーションし直します。また各PU位置やブリッジ位置、テールピース位置もすべてスケール設定上で換算し直した位置に移動させます。

予定では以上の内容に留めた作業で完成させ、後はご本人が暫く演奏した後で、更にピックアップ・アッセンブリー全てをtmp仕様に変更するしないを判断して頂く事にしております。

要するに更に費用を掛ける掛けないはご本人の判断に委ねるという事ですね。こうした内容の場合、オリジナルなヴィンテージ・レスポールサウンドはハナから諦めて頂いて、この楽器なりの良さを与えてあげるべきです。スケール設定が異なっている訳ですから無理な事は無理なのです。その点はきっちりと割り切りが必要です。
あくまでスケールは違えど、いい楽器だなと納得出来る様に作り替える作業という事ですね。
当然ながら元の状態からは明らかな鳴りの違いを結果的に与えてみせます。お楽しみに。
取りあえず次の段階では各埋木部分の作業に移行して行きます。

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