SEのための法人の作り方@2012年5月時点 | sola's note

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日ごろのメモを書いていきます。何か新しいものを作るために。

先月、遂に法人を設立致しました。
昨日一つ目のWebサイトも無事公開できたので、設立までの流れを纏めてみます。

法人を設立しようと思った場合、ざっくり
・業務知識
・運営知識
の二つが必要となりますが、自分の場合業務知識はあっても運営知識は皆無でした。
それでも結果的に一人で立ち上げる事になったので、登記の手続き等、結構手こずりました。

そんな中で設立に必要な書類と、法的に必要な手続きについてまとめましたので、
かんたんに公開させて頂きます。
自分にとってはメモですが、同じような境遇の技術者の方の参考になれば幸いです。

★★★注意事項★★★
本記事は実体験を元にしており、専門家等による手続きの確認は行っておりません。
そのため、あくまで参考程度にしてご覧下さい。

これを見て法人を作るには何をしたらいいのか
自分で出来そうか、出来なさそうか、それを判断する材料にする程度でお願いします。


■■■法人の設立の仕方@入口■■■
形の上で法人を設立する場合、大きく次の2つの方法があります。

1.司法書士等の専門家に設立手続きを依頼する。
2.自分で設立手続きをする。

お金がある方、設立日等に拘りがあり確実に進めたい方、時間を短縮したい方は
(1.)をお勧めします。
また、(1.)を選ぶ方は、この後は読まずに、司法書士の事務所の門を叩いて下さい。(或いは電話して下さい。)

設立にお金をかけたくない、自分で設立の手続きを踏んでみたいという方は
(2.)をお勧めします。
私は自分でやってみたくてこちらを選択したので、以降ではこの流れについて書きます。

注意事項でも書いてますが、
読み方としては、ここで大まかな概要を把握して、詳細は各書類毎に調べて頂ければと思います。


■■■前提条件■■■
・一人で会社を設立
→法人の設立の手間は、設立時の設定によって微妙に変わってきます。
 一人で設立するのか、二人以上で設立するのか、会社の組織形態をどうするのか等、様々ではありますが、
 今回は一人で資本金を用意し、会社を設立する場合で書きます。
 
 所謂、
 
  発 起 人 一 人 
 
 で法人を設立となります。
 ちなみに複数人で設立しようとすると、技術者風に言うと
 
  工 数 が 増 え ま す 。
  
 書類が増えますし、書く事も増えます。
 様々なパターンは書けないのでここでは 対 象 外 としています。

・持ち物は銀行の個人口座
→通常はこの程度しか持っていないかと思います。
 後述する資本金の払込を行う時に必要になります。
 (新規で口座を作っても良いですが、個人のものでも使用出来ます。)


■■■難易度■■■
参考になるかはわかりませんが、開発経験の無いプラットフォームに対して、
アプリケーションを自分で作れるだけの調べる力があるSE/PGであれば問題なく出来ると思います。

一般の方で言うと、大学にもよりますが、それなりの卒論を書いた事がある人であれば問題ないと思います。
時間は勿論ですが卒論程かかりません。

あまり例え過ぎても仕方ないので、難易度の記載はこんな感じで。
実際間違っていたら法務局等に指摘されるだけなので、直せばいいと思います。
(指摘されている内容が分かる程度の知識は必要なので、無勉ではしないでください。)

一番面倒なのは定款の作成で、それ以外は殆どが紙約1枚の申請書となります。


■■■設立に要する期間■■■
・1週間~1ヶ月

正直に言うと、設立に関する手続きで一番時間がかかったのは

 印 鑑 作 成

でした。
最短の場合、機械+手仕上げでの作成で即日~翌日、
職人さんの場合印影の確認を込めて1~3週間程度かかります。
ここら辺に拘りが無い人、既に印鑑を持っている人はやる気になれば設立に1週間もかからないかと思います。
極論、全て書類が揃っていれば1日で申請まで出来ると思います。
(全ての手続きの日付が同日であることが法的に問題ないかは不明ですが…。)

あと、影響する可能性があるとすると、(今回の前提条件とはズレますが)
立ち上げる人(発起人)が複数いる場合、意見が纏まらなかったりすると長引きます。


■■■必要なもの(書類以外)■■■
・個人の実印
・設立する法人の実印
・お金(最低でも約25万円~資本金にするお金)

[その他:人によっては既に持っているだろうと思われる技術者のアイテム]
・CD-R1枚(法人設立登記の時にアプリの納品みたいに資料の一部をCD-Rに入れて提出します。)
・パソコン(定款等の資料を作成しますので、ワードが入っているもの。)
・プリンタ(定款等の資料を印刷します。)
・印刷用紙(上に同じ)

お金に関しては、資本金は事実上1円以上であれば問題ありませんが、
定款の認証や株式会社の設立登記時に料金が発生します。
申請時に必要な費用を合わせると約25万円となります。金額は定款のページ数等によって数100円前後します。

このタイミングで言うのも難ですが、
その他を全部持っていない人は

 専 門 家 に 頼 ん だ 方 が 安 い 

かもしれません。
どの道会社を設立したら必要になるかもしれませんが、
必要か分からない半端モノを申請のために買うのは業務上良く無いと思います。


■■■必要なもの(書類等)■■■
■定款認証で必要なもの
・印鑑証明書(個人の実印のもの)
・定款(3通)

--備考--
定款に記載する内容は各自調べて下さい。
「定款 書き方」とかで検索すればヒットすると思います。
定款はワード等で手作りで問題ありません。
印鑑証明書は実印作成後に区役所で発行してもらって下さい。

定款3通は1つは定款認証で持って行く公証人役場という所で保管する用、
1つは株式会社設立登記申請時に提出する用(謄本)、
1つは設立する会社の保存用となります。
3通提出した後、認証が終わると後者の2通のみその場で返却されます。

印鑑証明書もそうですが、定款には個人の実印が必要となります。
つまり定款認証までには個人の実印を用意する必要があります。


■株式会社設立登記申請書で必要なもの
・株式会社設立登記申請書
・収入印紙台紙
・定款(謄本)
・発起人決定書(→本店所在地を最後まで書いたもの)
・設立時取締役の就任承諾書
・印鑑証明書(個人の実印のもの)
・払込を証する書面
・印鑑届書(法人)
・OCR用CD-R

--備考--
上記申請書の条件:
・本店所在地は市まで定款に記入(神奈川県の場合)
 →この場合発起人決定書が必要になります。
・発起人一人
・発起人が引き受けるべき株式数及び、それに対して払込むべき金額について定款に記載済
・資本金の現物出資無し
・取締役及び代表取締役を定款に記載済
・取締役会を設置しない

<各書類について簡単な説明>
法務省のサイト
http://www.moj.go.jp/ONLINE/COMMERCE/11-1.html
で概要は確認できます。

以下どうでもいいけど気になる事です。参考程度に。
株式会社設立登記申請書:ワード等で手作りで問題ありません。
収入印紙台紙:印紙という切手みたいなものを貼る紙で、普通のA4の紙で問題ありません。
定款の謄本:定款認証時に公証人役場で返却されたものです。
発起人決定書:定款に本店所在地を記載していない場合に必要となります。
設立時取締役の就任承諾書:ワード等で手作りで問題ありません。
印鑑証明書:区役所で発行してもらったものとなります。
払込を証する書面:資本金の払込をした後に代表取締役が「確認しました」という事を証明するために作ります。ワードで問題ないです。
印鑑届書(法人):http://www.moj.go.jp/ONLINE/COMMERCE/11-2.htmlの印鑑(改印)届書を参考にして下さい。(法務局でも貰えるらしいです。)
OCR用のCD-R:http://www.moj.go.jp/MINJI/MINJI50/minji50.htmlを参考にして下さい。

株式会社設立登記申請書や印鑑届書に法人の実印が必要となります。
なので、この申請までには法人の実印を用意して下さい。


■■■手続きの流れ■■■
1.[定款認証までにやる]
・個人の実印作成
・個人の実印の印鑑登録
・個人の実印の登録証明書発行

2.★定款認証←ここまでに定款を作る

3.[株式会社設立登記申請までにやる]
・法人の実印作成
・資本金払込

4.★株式会社設立登記申請書の提出←ここまでに申請書類を揃える
※横浜市の場合、修正が必要or却下の場合を除いて手続き完了の連絡がきません。

以上ですが、大きなポイントは定款認証と最後の申請書の提出だと思います。
ちなみに、上記は

 法 的 、 対 外 的 な 手 続 き

であり、定款の作成や申請書類の作成、及び、作成に伴う記載内容の検討等が必要です。
ただ、ざっくり言ってしまうと、

各申請書類に記載する必要がある内容は、提出迄に決めて下さい

という感じになってしまうので、
一つ一つはここでは取り上げません。


最後に、登記後直ぐにやる届出を簡単に列挙します。

■■■登記後の届出■■■
区の税務署に以下届け出書類の提出
・源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
・給与支払い事務所等の開設・移転・廃止届出書
・青色申告の承認申請書
・法人設立届出書×3(横浜市の場合:税務署提出用、県税務署提出用、市町村提出用)
・上記各書類のコピー(法人控用)
 →各届出を出しましたという意味かは分かりませんが判子を押してもらえます。

--備考--
上記書類は書類によって提出期限は違いますが、登記後1ヶ月以内くらいで提出するのが良いと思います。


今回のメモは以上となります。記載漏れが確認出来た場合は随時更新していきます。
いつか時間があればパワポにでも纏めます。