急ぎ足で咲いていった桜も今は若葉がまぶしく、
団地内の至るところでツツジが満開になりました。
窓から見える山々も、いつのまにか濃緑から若草色が広がって、
今年も山笑う季節の到来ですクローバーグリーンハーツ

早々と咲いたブルーベリーの花に白木香薔薇、

たくさんの実をつけた桑の木。

茗荷も芽を出し、
どこから来たのか青じそがびっしりと生えています。

数少ないベランダの植木鉢が、

賑やかになりはじめました音符

暑かったと思えば、急に肌寒くなるし、

また今度夏日になるとか。

植物はとっくに初夏の装いで、

まるで5月が先にやって来たような?

不思議な錯覚に陥ってしまいます爆笑

上着が必要です、週後半は半袖でいいようです、

気象予報のかたも大変ですびっくり

山育ちで、冬でもコートを着た覚えがないですし、
学校は真冬以外裸足。

体育も裸足でしたね。

今よりずっと衛生状態も栄養状態も悪く、

健康管理も行き届いてないのに、

欠席する子がいませんでした爆笑

歯磨きの習慣もないのに
甘いものがなかったので虫歯になることも少なかったですしねニコニコ

なのに寄る年波には勝てず、

あちこちガタガタ、

寒暖の差についてけないからだを甘やかしてばかりです笑い泣き

さて、

いつも前置きが長くなってすみません。

山と山に囲まれた谷あいにあるふるさとの集落は、

今でいうと土砂崩れ危険区域。

1本の川が流れ、

それに平行するように作られた唯一の国道、

その両側の狭い土地にポツポツと家があって、

迫りくる山を開いて石を積み、

また家を建て、

田畑にして暮らしています。

広い庭を持つ家は少なくて、

なんというか、庭はあるけど作業場としての庭であって、

花木を植えてる庭ではないんですね。

果樹は植えても

家を飾る庭木を植えてるところは

お金持ちのお宅で、

敷地の隅っこに所狭しと植えられた仏壇花、

祖母の植えた宿根花、

石垣に野薔薇がわずかにあるだけで、

それだって食べられる野生ニラばかり。

目を潤すような花は見かけなかったんですね。

登下校中に目にするものといえば、

田畑に果樹、お茶畑、竹林に杉桧、そして雑木林です。
黄色くなって楽しませてくれる銀杏も実をつけるものだし。

ところが、川と国道を挟んだ谷の向こう側の集落にある

ひときわ大きなお屋敷は、

他と全く違った外観をしていました。

屋敷の回りは生け垣で囲まれて、

赤やピンクの花で彩られるのです。

後にそれは山茶花だと知ります。

広い庭には手入れの行き届いた

大きな庭木がたくさん植えられて、

玄関へと続く小路がまた

風情よくて照れ

瓦葺きの2階建ての大きなおうちには、

大きなガラス窓がたくさんあって、

朝日が当たると輝いて見えたものでした。

当時我が家は藁葺き屋根で、

窓も少なくて、かまどの煙でいぶされて家中が真っ黒だったのです。
なので洒落たおうちは憧れでした。
田舎でしたので、もちろん近くに洋館などあるわけもなく、
普通のおうちでも憧れたものです。

もちろんお庭には季節ごとに咲く花でいつもいっぱいでしたね。

なかでも特に楽しみだったのは、

そのお宅の裏山でした。

どこもそうでしたが、普通なら果樹とか茶畑、もしくは竹林、雑木林だったら薪にもなるしで、
生活に役立つものを植えているものです。

だってただでさえ谷あいの集落には貴重な土地です。

ところが、

そこのお屋敷は山の斜面にツツジと紫陽花を植えてあったのです。

大きな岩があちこちにゴロゴロと見えるのですが、

それはそのままに、

登って行けるように、

くねくねとした小路が作られてました。

山の春はちょっとだけ遅いので、

これから花咲本番です。
丸く整えられた色とりどりの
ツツジが咲き、

そのあと梅雨前から夏までの間を
紫陽花が彩ります。

そのお屋敷のほう側は通学路ではなかったので、

家の前を通ることはほとんどないので、

谷のこちら側から向こう側を羨望のまなざしで
見て登下校する毎日。

そんな少女でした。

話かわって

Instagramでフォローしてるかたに

山を開いて山庭を作ってるかたおられます。

14年もかけて作られたそこは、

まるで実家の山と憧れたおうちの庭を見ているようで、

とても懐かしく郷愁を誘う所でした。

回りには雑木林、杉、桧、小川があって

紫陽花ロードと名付けられた小路があるんです。

昨年の5月から夏までの間をどれだけ楽しませてもらったかわかりません。

いつかきっとステッチで表現したいと思っていました。

ブラックワークでデザインを作り始めたんですが、

ちょっと細かいステッチなので、

重くなりすぎてしまいます。

もっと淡く優しいイメージでそれでいてしっとりと濡れて主張するような
そんな感じにならないかな。

で、

ふと思いついて、

たくさん作っておいた花のモチーフのなかから二種類、

ポツポツ配置して、

それぞれを直線で結んでみました。

緑で刺すことで花にも葉っぱにも見える、
線は小路のイメージで。

で、それをリネンではなくて晒に刺したらどうだろうと、

本来2本ずつ織り目をすくって刺していくところを

5㎜を一目としてやってみました。

刺し子のようにランニングステッチ形式にしないで、

ホルベインステッチ、

つまり、行って戻ってくる刺し方をすることで、
より鮮明な小路と

緑のモチーフが表現できるんじゃないかと思いました。


区画整備されたウインク空間には、

紫陽花を配置しましたピンク薔薇

手持ちの刺し子糸では足りず、

刺繍糸まで動員しました。
できるだけ光沢のない糸を選び、

紫陽花らしき色と近しい色や

単色だけじゃなく、2色にしたり、

段染め糸も使いました。

刺したのはくぐり刺しです。

自分で作った図案で、『小花刺し』

と名付けました。

前々回に公開した『小花刺しー亀甲入り』と

そっくりですが、刺し方が全く違います。

こちらが元祖で、

簡単です。

(関心のあるかたは、
Instagram  
tomoko.6
または、はないろデザイン で検索してみてください。2018.2.16投稿に載せています。)

なるべく丸くなるように工夫しました。





どうでしょう、

紫陽花の小路に見えますでしょうか?

まとめてみると

大きな紫陽花ようにも見えます。

四辺の縁飾り縫いは、

別にフォローしている方のお母さまの刺し子にしてあった縫い方をお願いして真似てみたものです。
三重縫いになってます。
黄緑と緑のラインが効いてますねクローバー

80歳になられるお母さまに刺し子を始めたと伝えると、
刺し子ふきんと、少し黄ばんだ晒が送られてきたそうです。
お母さまが刺し子をなさってたことご存知なかったそうで、
コミュニケーションの足りない親子だったと思い知らされたと
綴ってありました。
素敵なお母さまに
ぐっときてしまいました。
これからきっと刺し子が会話を繋いでくれるのでしょうハート

先日、

実家の母から竹の子が送られてきました。

山で堀りたてを釜茹でにしたものです。
ですから、灰まみれなんですが、
おかげでえぐみもなく、
とても柔らかく美味しくいただけました。

ありがとうと、
久しぶりに掛ける電話なんですが、

とうとう山小屋の前まで竹の子が立つようになったと嘆いてました。

そこから先の山の持ち主のおじさんが、

管理できなくなったら、

あっという間に道は塞がり、

山に入ることはできなくなるだろうって。
そうなのか。

あと数年で、

山の幼なじみの男衆たちが、会社の定年を迎えます。

彼らはまた山へと戻ってくるでしょうか、

あちらこちらの山で人の声が響きあい、

ラジオの音が流れる日がまたくるでしょうか、

身勝手な思いが募る今日の雨です傘

その85歳の母。
まだ自転車に乗るんですが、

電話口でソワソワしてるんです。
めったにお互いにかけないのですが、
それが元気な証だからと笑うんですけどね。

どうしたのか尋ねると、

ほらね、ゼンマイいっぱい生えてきたし、
あっちの山こっちの山へと
持ち主に許可もらっていっぱい採ってる、
今から出掛けないと、
もうね、
楽しくて仕方ない、

のだそうです。

なんともたくましい爆笑

じっとしてるのが好きな私とは正反対爆笑

元気になってなによりです。

今日も長文におつきあいくださいましてありがとうございますハート