モンテッソーリ教育の考え方に基づいて、大切な幼児期の育児について書いてある本です。「教育」と固く考えずに、普通の柔らかい育児本としても読め、まな号はまだ1歳ですが、数年後に向けて、とても参考になりました
良本です。
タイトルの敏感期とは、人間(というより生物)のもつ「あることに特別に情熱を燃やしてかかわる短い限られた時期」のこと。3-6歳くらいの幼児はまさに敏感期にあって、子どもが様々なことに対して感受性強く受け止めている姿を、お母さんがしっかり感じ取りましょう、そして、子供がひとりでやりたがってることの手助けを具体的に、上手にしましょう、ということから、こういうタイトルになっているようです。
敏感期の子育てで重要なのは、子供が自分でできるようになることを大人が手助けして、子供が自分でできた、という達成感をもてるようにすること。まちがっても、大人が代わりにやってあげてしまってはいけない。必要な手助けは、子供が自分でできるように、そのやり方を、大人が論理的にこと細かに説明しながら、実際にやってみせること。この説明の仕方や見せ方が、具体的に紹介されていて、とても参考になります。
敏感期には、まわりのことにたいして積極的、能動的に関わっていこうというエネルギーが湧き出してるそうです。「自分が自分の行動の主人公でありたい」、「ありとあらゆる動き方を身につけたい」と。
と同時に、知性のエネルギー(分析、集合、比較、対応)も働き出している。その特徴は、自発性と持続性(投げ出さずに最後までやる)。
「子どもの活動が積極的・自発的であるためには、『敏感期のエネルギー』と『知性のエネルギー』の両方を十分に発揮させることが大切なのです」
なるほど
この2つのエネルギーを発揮させることができるように、親が意識して環境を整えてあげたり、工夫することが必要なんですね。
その工夫として、道具(手作りおもちゃ)の作り方も、紹介されてます。この本は主に3歳以降の幼児について書かれてますが、この手作りおもちゃについては1歳以降向けのものも紹介されているので、1歳児にもすぐに役立てることができます。
そしてこの本で一番大事なキーワード。それは「自律」と「自立」。詳細はここでは省きますが、「自律」しているからこそ、「自立」できる。「自律」は「自立」の前提。
「自律」能力は、幼児期を上記の2つのエネルギーを自由に発揮できる環境のなかで、自分で考えて、主体的に行動する日常生活を送っていると、身につくもの。
この本の中で私に一番響いた名言を紹介すると、
「子育てで目標にしなければならないのは、自分のイニシアティヴで取り組み、自分のリズムで続け、自分のオリジナリティを打ちだせる、人柄と能力ではないでしょうか。」
まさに、そのとおりだと思います![]()
これからの情報化社会では、自分でしっかり考えて行動し、創造力をもった人でないと、世の中を生き延びていけません。単純労働だったら、すでに人件費の安い国にどんどん移管されていってる(※)し、さらに言うとコンピュータが代わりにやってくれます。まな号には、ぜひとも人間力とでもいうべき力を備えた人になってほしい。
ところで、
「自分が自分の行動の主人公でありたい」って、このセリフどこかで見たことがあるような?
そう、自己啓発書のバイブルと言われるような本たちにも、同じようなことがよく書いてあります・・・そうか、幼児期に、こういう力を身につけておくと、大人になってから苦労して自己変革を試みなくても済むんですねぇ・・・
大切な幼児期!まな号との関わり方、もっと意識してみよう。
(※)うちの会社、福利厚生系の業務が中国や東南アジアに移管されてて、書類の発信者名が「ジャック」とかになってて、結構笑えます。ジャックって姓?フルネームにしようよ~
- お母さんの「敏感期」―モンテッソーリ教育は子を育てる、親を育てる (文春文庫 さ 46-1)/相良 敦子
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文庫本が出てるの知らなくて、ハードカバー本のほうを買っちゃった~。ショック。