すっごく今さらですが、観てきました。

【おくりびと】


なんとなく観そびれて、アカデミー賞を取った後も

「今はきっと混んでるしなぁ」と観そびれて、今に至った。

もうDVDで観ようかな~と諦めかけていたけれど、観に行った。


本木雅弘さんの所作が美しく

山﨑努さんは目と表情で語り

笹野高史さんの名脇役ぶりが光っていました。


そして、日本の四季の美しさや音楽もよかった。

主張するわけでもないけれど、きちんと存在感を放つ音楽だな~と思っていたら、

やっぱり久石譲さんだった。



人はいつか死を迎える。

これは避けられないこと。

その「いつか」は、何十年後かもしれないし、明日かもしれない。

その最期を迎える時、自分はどう感じるんだろう?

そして、周りの人たちは、私の死をどう受け止めるんだろう?

その時の思いが、自分が生きてきた証になるんだろうなぁと漠然と思った。


もしも明日、自分が命を落とすとしたら…

何も残せていない気がする。

例えばそれは、親から受け継いだ命を繋ぐ家族だったり、仕事だったり、

それ以外の何かだったり…。

何もかもが中途半端。

浅いな、自分。


家族に対しても、友達に対しても、それ以外の大切な人に対しても、

結局は自分本位で、誰かのことを真剣に考えているふりだけして、

実はあっさりと「自分は自分。人は人」って線引きをしていた気がする。

誰かの人生に本当に入り込んで、その人になりきって、考えてこなかった気がする。

親身なふり。うれしいふり。悲しいふり。ふり。ふり。ふり。上辺だけ。


そして、それは仕事にしてもそうなのかも。

自分で考えているつもりでも、流されているだけ。

うすっぺらい。


以前働いていた会社で、目標を持つことの大切さ、

そしてその目標に向かっていかに行動し、実現していくか。

そのプランの立て方を教えてもらったはずなのに。

目標を持つと、そこに向かってすごいエネルギーが沸いてきて、

昨日まで出来なかったことが、ふと出来るようになっていたりしたことを、

身をもって体感したはずなのに。

そんなこと、すっかり忘れてた。


その目標を仕事じゃなく、人生に置き換えればいい。

たったそれだけ。

簡単なことだったのに、今まできちんと考えたことがなかった。

ちゃんと自分の人生に向き合ってこなかった気がする。


何か大きな力に流されるように、このまま漂っていれば、いいのかな。

なんて考えてた節がある。

受身すぎるにも、ほどがある。

他でもない、自分の人生なのに。

親だってそんなこと、考えてくれないのに、ね。



【おくりびと】を観て、自分がなんだか恥ずかしくなった。

中途半端、いい加減さが、恥ずかしい。

この映画を観たことで、きちんと考えるきっかけになった。

自分を省みるいい機会のような気がする。


この映画に出会えて、本当によかった。


ちゃんと考えよう。

こう思った瞬間から、今までとは違う未来が開けた気がする。





…と、時にはまじめなことも書いてみたりして。