顎関節症・OFP口腔顔面痛 -4ページ目

顎関節症・OFP口腔顔面痛

http://yokoyama-dental.info/

[痛み強めるか止めるかは体内の分泌物で決まる 慢性疼痛]

(ZAKZAK  2013年09月25日)(今日のストレス 明日の病気)


雨が降ると古傷が痛む-という話はよく聞くが、ストレスがたまると古傷が
痛くなる人もいるらしい。
しかもこの手の「痛み」を持つ人は、意外に多いという。
人に話しても信じてもらえないから、黙っているだけなのかもしれない
が・・・。


化学原料メーカーに勤務するTさん(36)は、10年前に交通事故に遭った。
バイクで走行中、突然、子供が飛び出してきたのだ。
とっさによけようとして転倒。
子供にけがはなかったが、バイクは大破。
Tさんは左肩を強打し、複雑骨折の重傷を負った。

その後の治療でケガはキレイに治ったが、うずくような痛みが残った。
いわゆる「慢性疼痛」だ。

普段は気にするほどの強い痛みでもないが、なぜか精神的に追い詰められると
痛みが増強する。
仕事が忙しい時、上司に叱られた時、勝負に出た馬券が非常に惜しい外れ方を
した時、必ず左肩の痛みが強くなる。
いつ、いかなる時でも、痛み止めの薬が手放せない。

誰に話しても「気のせい」と信じてもらえない。
その悔しさで彼の左肩は一層、痛くなる。


「普段からある痛みが精神的なストレスで増強することは確かにあります」と
語るのは、星薬科大学の鈴木勉教授。

その理由をこう説明する。
「人間はストレスを感じると、副腎からステロイドホルモンやアドレナリンが
分泌されます。実はこれが痛みを助長するのです」
Tさんの証言は科学的に証明された。

鈴木教授はこうも言う。
「面白いことに、ストレスには痛みを強める作用とは反対に、痛みを押さえ
込む力もあるのです。例えば火事などの突発的な災害に遭遇した時には痛みを
感じにくくなりますが、これは強烈なストレスによって内因性オピオイド
(脳内モルヒネ)が出ることで生じる現象。人間の体は、ストレスの種類に
応じて、痛みを強めるか、あるいは止めるかの判断をしているのです」
(鈴木教授)



知れば知るほど人間の体は面白いのだが、Tさんは面白がってもいられない。
今朝は左肩をさすりながら出社したところを見ると、奥さんとケンカして
きたのでしょう。
周囲からはわかりやすくて便利なんだけどね・・・。




(長田昭二)




http://www.zakzak.co.jp/health/doctor/news/20140319/dct1403191912113-n1.htm






















[ストレスで「舌痛症」 奥さんに口臭指摘され・・・]

(ZAKZAK  2013年11月20日)(今日のストレス 明日の病気)


自分の臓器や体の器官の存在を意識するのは異常時ばかり。
痛みを感じて初めてその存在に目を向け、機能に感謝し、労わりの気持ちを
持つ。

「舌」などはまさにそんな存在の代表格なのだが・・・。


Tさん(40)が最初にその症状に気付いたのは、夜寝る前のこと。
ベッドに入り、暗闇を見つめていると、舌がピリピリとしびれるような感覚を
意識したのだ。

Tさんは今、妻とは別の部屋で1人で寝ている。

少し前に妻から口臭を指摘されて以来、それを気にするあまり、妻に限らず、
あらゆる人の近くに身を置くことが怖くなってしまったのだ。

口臭を消したい一心で、歯みがきの時に舌の表面もゴシゴシ擦るようになって
いたTさん。
「ちょっと強く磨きすぎたかな・・・」と反省し、その日は寝てしまった。

しかし、翌日以降も気が付くと舌の先から上面にかけてピリピリ感を覚える。
一体何なのか・・・。


「舌痛症と思われます。ストレスが原因で起きる症状で、決して珍しい症状
ではありません」というのは、東京都中央区にあるトルナーレデンタル
クリニックの龍信之助院長。
そのメカニズムを次のように解説する。
「舌の表面にはさまざまなセンサーがありますが、精神的なストレスで神経
系統に乱れが生じると、そのセンサーの感度が混乱し、痛みやしびれという
症状となって現れることがあるのです。Tさんの場合も、口臭を指摘された
ことで神経質になり、そのストレスが舌の神経に異常を及ぼしたのでしょう」
(龍院長)


対策はストレスを取り除くことに尽きるが、状況次第では抗不安薬の服用や、
心療内科的な治療が必要になることもあるという。


幸いTさんのストレスはそこまで深刻ではなかったようで、「久しぶりに歯科
検診にでも行ってみるか」と“良いほう”に意識が動いた。
検診に行けば歯周病を指摘され、治療と指導を受ければ、いずれ口臭も消える
はず。

ただ、それまで奥さんが待っていてくれるかということが問題なの
だが・・・。




(長田昭二)




http://www.zakzak.co.jp/health/doctor/news/20140319/dct1403191906052-n1.htm






















[頭部の不快感から顎関節症・・・「TCH」は“スマホ猫背”が原因だった?]

(ZAKZAK  2014年01月08日)(今日のストレス 明日の病気)


背筋がピンと伸びている人は、それだけで若く見える。
そんな人が目立つほど、日本人は「猫背」が多い。

そして、猫背は意外なところにダメージを及ぼす。
もちろん背景にはストレスが・・・。


会社員のEさんは32歳なのに、どう見ても40代半ばに映る。
風格や貫禄があるのではない。
単に「年寄りくさい」のだ。

特に忙しくなると、その傾向に拍車がかかる。
背中を丸めてパソコンに向かう姿は、こたつで編み物をするおばあさんの
よう。


そんなEさんの悩みは「首から上の不定愁訴」だ。

緊張型頭痛はもちろん、目の下の頬のあたりには慢性的な痛みもある。
本人の表現を借りれば、「頭全体がこっている」感じだ。


そんな症状が悪化して、ついにあごが動かなくなった。
あわてて歯科医院を訪れると、顎関節症と診断される。

しかも原因として「トゥース・コンタクティング・ハビット(TCH)」という
病態を指摘されたのだ。

「TCHは最近、歯科領域で話題の病態です」と語るのは、東京都江戸川区に
ある宝田歯科医院の宝田恭子院長。
具体的に説明してもらおう。
「人間は背筋を伸ばして安静にした時、上の前歯の裏と下の前歯の前面に
わずかな隙間ができるようになっています。ところがストレスや過労、
パソコンやスマホの台頭で、常に猫背になる人が増えてきた。背中が丸まる
と、どうしても下あごが前に出るので、本来あるべき隙間がなくなる。その
結果、あごに余計な力が加わり、さまざま症状を引き起こすのです」
宝田院長によると、実は歯科医師もTCHになりやすいとか。
「歯の治療中はどうしても前かがみになるので、TCHのリスクが高いんです。
私も顔を上げるたびに背中を回すストレッチをするなどして、あごの負担を
取り除いています」(宝田院長)


TCHは不快な症状や老いて見えるだけでなく、咀嚼機能の悪化から実際に
老化が早まるという。
疲れた時ほど、ストレスのたまった時ほど、背筋をピンと伸ばしましょう。 




(長田昭二)




http://www.zakzak.co.jp/health/doctor/news/20140319/dct1403191903034-n1.htm





















[顎関節症 「歯を食いしばって」耐えず大口開けて笑うのが予防に]

(ZAKZAK  2014年04月02日)(今日のストレス 明日の病気)


起き抜けの人間はボーっとしていて、それが夢なのか、はたまた現実のこと
なのか、定かではない。

しかし、次第に意識が鮮明化する中、その症状が現実であることに気づいて
ガクゼンとするのだ。

それは「顎が動かない」という悲劇。
もう、あくびもできないのか・・・。


Hさん(30)はその朝、洗面台で顔を洗い、歯を磨こうとした時に異変に
気付いた。
口を大きく開けられないのだ。
右あごが固まっていて、可動域が本来の5分の1程度しかない。

仕方なく、獅子舞のような顔で歯を磨く。

不自由なのは歯磨きだけではない。
朝食用に買っておいたメロンパンにかぶりつけないので、小さくちぎって口に
入れる。
まるでおばあさんだ。


最近ストレスがたまるたびに、この症状に襲われる。

多くは気付くと解消しているが、それでもしばらくは口を開けるたびに
「カクンカクン」と音がする。



「顎関節症ですね」と分析するのは東京都中央区にあるトルナーレデンタル
クリニックの龍信之助院長。
その根元には「3つの習慣」が存在すると指摘する。
「食いしばり、歯ぎしり、歯をカチカチと噛む-という3つの習慣で、これを
ブラキシズムとよびます。そして、ブラキシズムの原因にストレスがあると
考えられているのです」

龍院長によると、日本人は口を大きく開ける習慣がない上、我慢を美徳と
考えるところがあり、ストレスを抱えた時に無意識のうちにブラキシズムを
しているという。

「口を閉じる時に使われる閉口筋群という筋肉が過活動になると
ブラキシズムが誘発される。日頃から口を大きく開けて笑うなど、開く動作を
支配する開口筋群を発達させることで、ブラキシズムを予防することが可能
です」(龍院長)


つらい時に「歯を食いしばって耐える」のは顎関節症の原因を作るだけ。
それよりも大きく口を開けて笑い飛ばしてしまうほうが、顎のためにも
健康的-ということだ。


まあ、そんな性格ならストレスなんて背負い込まないだろうが・・・。




(長田昭二)




http://www.zakzak.co.jp/health/disease/news/20140401/dss1404011808000-n1.htm























[舌のピリピリする痛みと指の関節痛、病気でしょうか?]

(あなたの健康百科  2013年08月01日)



<専門家へきいてみよう 「質問する」より> 
〔症例〕 60代 女性
〔症状〕 舌の先にピリピリとした刺激痛があり、以前より喉が渇くように
なりました。
指の関節は曲げ伸ばしをすると痛みます。
どんな病気が疑われますか?
また、どのような治療法がありますか?



口腔乾燥感を伴った舌痛と関節痛があるため、シェーグレン症候群が最も
疑われます。 

シェーグレン症候群とは、口の中や目の乾燥症状を特徴とする自己免疫性疾患
です。
中年以降、特に女性に多く発症し、男女比は1:9や1:14ともされます。

関節リウマチや他の膠原病に伴って生じる場合(二次性シェーグレン症候群)
と、そのような合併疾患が認められない場合(一次性シェーグレン症候群)の
2種類が存在します。



<症状>
口の中や目に乾燥症状が生じます。
口の中の乾燥症状として、口渇や味覚障害の他に、乾いた食べ物を食べる際に
水分が必要となる、口がべとついて日常会話が続けられない、夜間飲水の
ために目を覚ますようになった、入れ歯が合わないなどが出現します。

舌の運動後の刺激痛も口腔乾燥による可能性が高いと思われます。

乾燥症状以外の症状として、耳下腺(耳の前から下にある唾液腺)の腫れ、
関節炎、レイノー現象(主に手指において、寒冷時や冷水に浸した場合に
突然白くなった後、紫色に変色し、その後に元に戻る現象で、特定の指の
しかも特定部位のみ白くなる)、皮疹、紫斑などを認めます。中でも、関節痛
(炎)が最も多発します。
頻度は少ないのですが、注意する症状として、間質性腎炎、間質性肺炎、悪性
リンパ腫があります。


シェーグレン症候群は、生活に支障を来すことは多くても、単独では命に
危険を及ぼすことことが少ない病気です。
しかし、関節リウマチや全身性エリテマトーデスをはじめとする膠原病を合併
していることが全体の3分の1程度あります。



<治療法>
基本的に、病気の元を断つのではなく、症状を緩和する対症療法が中心となり
ます。

飲み薬としては、
 ・唾液分泌を促進するセビメリン(商品名「エボザック」
     「サリグレン」)
 ・たんを取り除くアンブロキソール(商品名「ムコソルバン」
     「プルスマリンA」「ムコサール」など)
 ・気道の粘膜を保護するブロムヘキシン(商品名「ビソルボン」など)
 ・漢方薬では口渇や空せきに効く麦門冬湯
などがあります。
また、
 ・人工唾液のスプレー剤
 ・リン酸一水素カリウム・無機塩類配合剤(商品名「サリベート」)
も比較的よく用いられます。


関節痛には非ステロイド抗炎症薬(いわゆる解熱鎮痛薬)が用いられ、主要
臓器症状(間質性肺炎、間質性腎炎、中枢神経症状など)には副腎ステロイド
薬や、免疫抑制薬のシクロホスファミド(商品名「エンドキサン」)などが
投与されます。


眼乾燥の検査(シルマーテスト、ローズベンガル染色テスト、蛍光染色
テスト)や口腔乾燥の検査(ガムテスト、唾液腺造影、唾液腺シンチ
グラフィー、唾液腺生検)、自己抗体(抗SSA/Ro抗体、抗SSB/La抗体)
などで、シェーグレン症候群が否定された場合には、口腔内乾燥症(ドライ
マウス)と診断します。
この場合の治療法も対症療法です。



(明海大学歯学部歯学科病態診断治療学講座口腔顎顔面外科学
                            坂下英明教授)





http://kenko100.jp/articles/130801002482/






















[顎関節の痛みと開口障害 道具使った訓練や手術も]

(北海道新聞  2013年11月27日)


<Q>
63歳女性。
3年前から顎関節に痛みがあります。
会話をするには問題ないのですが、口を開けると、あごが曲がって痛く、
指が3本も入りません。
今は歯科で教わったあごのストレッチで対処しています。
どんな治療があるのでしょうか。
どこにかかればよいのでしょうか。



<回答>山口泰彦さん 北大病院高次口腔医療センター准教授(札幌市北区)

顎関節に痛みがあり、曲がって開くという状況から一番考えられるのは
顎関節症です。
おそらく、あごの関節のクッション(関節円板)が前方にずれていて、そこに
あごの関節の骨がひっかかり動きが悪くなっていると思われます。

クッションのひっかかりで軽いものは、自然になじんだり消炎鎮痛薬や簡単な
あごのストレッチで治ります。
しかし、関節の中が癒着している場合など、状況によっては道具を使った
本格的な開口訓練や関節鏡手術が必要です。

また、歯ぎしりやくいしばりなどの癖があるときや奥歯のかみ合わせの支えが
ない時などは関節に負担がかかり、治りが遅くなります。
そのような場合には癖を減らし、マウスピースを使って関節の負担を軽く
します。


3年前から開きづらい状態があまり変わっていないのでしたら、まずは関節の
中の状態をよく調べるといいと思います。
関節円板は通常のエックス線検査では映らないので磁気共鳴画像装置
(MRI)による検査が用いられます。
顎関節症専門の歯科や口腔外科に相談されるといいでしょう。


口が開きづらくなる原因には、顎関節症の他にも
  ・親知らず(知歯)の炎症
  ・あごの骨の形の異常(筋突起過形成症)
  ・筋肉が腱のように硬くなり伸びない状態(咀嚼筋腱・腱膜過形成症)
  ・あごを動かす神経の不調(顎口腔ジストニア)
  ・あごの腫瘍
などいろいろなものがあります。
他の原因でないことも、確認してもらうといいでしょう。






http://www.hokkaido-np.co.jp/cont/health_news_manande/217421.html
























[顔面の激しい神経痛に効く漢方]

(日経新聞  2007年04月05日)


50歳を過ぎた中高年に多くみられる神経痛のひとつに「三叉神経痛」がある。
片側の顔面が激しく痛むことから顔面神経痛と誤って呼んでいる人もいる
ようである。
ある日、歯磨き、洗顔の後などに突然、顔面の片側に十数秒間、突き刺す
ような激しい痛みが走り、食べ物を噛んだ後や、あくび、くしゃみの後に
突然、痛みが起こることもある。


顔面の左右には、上から第1枝(眼神経)、第2枝(上顎神経)、第3枝
(下顎神経)の“三叉神経”が走っており、痛みの発作は鼻や口の周りに沿って
いる第2枝、第3枝に起こりやすい。

三叉神経痛の多くは原因となる疾患がない特発性のものが多いが、中には
腫瘍、脳動脈瘤などにより痛みが持続するものもあるので注意したい。


特発性に対して、西洋医学では抗痙攣薬を用いた治療や神経ブロック療法、
外科手術などを行う。


漢方では風、寒、湿などの邪が経絡の流れを阻害し気血をうっ滞させて起こる
と考え、病状体質にあわせて
  「桂枝湯(けいしとう)」
  「葛根湯(かっこんとう)」
  「桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)」
  「五苓散(ごれいさん)」
  「麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)」
などを選んでいく。


桂枝湯は体質が比較的虚弱で、脈は一般に浮いて力がないときに使う。
薬方に含まれる「桂枝(けいし)」「生姜(しょうきょう)」は、血行を
盛んにして体を温め諸臓器の機能を高める作用がある。
「芍薬(しゃくやく)」には鎮静の効果があり、「甘草(かんぞう)」と協力
して異常緊張を緩和し、疼痛を治す効果があるといわれている。


葛根湯はかぜの薬として有名だが、脈が浮いて力があり筋肉が緊張し、首から
背中にかけて凝る人を対象にする。
この薬方は桂枝湯に「麻黄(まおう)」と「葛根(かっこん)」を加えた
薬方で、筋肉の過度の緊張を去り、血管を拡張し血行を盛んにして疼痛、痺れ
などを改善させる。
ただ、胃腸が弱く体力が低下している人には適さないので注意する必要が
ある。


桂枝加朮附湯は、桂枝湯に「蒼朮(そうじゅつ)」「附子(ぶし)」を加えた
もので、脈、腹に力がなく筋肉の緊張が弱く冷え症で寝汗をかきやすい人を
対象とする。
附子は体を温める薬で寒湿を除き血行を促進させるほかに鎮痛作用もある。
蒼朮には湿を除く作用とともに鎮痛、鎮静作用もある。


五苓散は、表(体表部)に邪熱があり裏(体内深部)に停水があるものを
治すのに効果があり、口の渇き、尿利の減少を目標にさまざまな疾患に
用いられる。
脈が浮いて力があまり強くなく、心下部に振水音が認められる腹壁が
やわらかい人に適している。
薬方には「沢瀉(たくしゃ)」「猪苓(ちょれい)」「茯苓(ぶくりょう)」
「蒼朮(そうじゅつ)」など代表的な体液調節作用をもつ生薬が含まれ、
胃腸内の停水を去り尿利を促進し浮腫を取る。
沢瀉、猪苓には口の渇きを治すほか茯苓とともに鎮静効果もある。
桂枝は表熱を去り、気の上昇を治す働きがある。


麻黄附子細辛湯は、手足が冷え顔面が蒼白で全身倦怠感がみられ、脈が沈んで
いる人を対象にする。
薬方の「附子(ぶし)」「細辛(さいしん)」はいずれも温薬で風寒の邪に
よる表寒をあたため血行を促進し冷え寒気を改善させる。
このほか利尿効果、鎮静作用があるといわれている。



痛みをくり返す特発性の三叉神経痛に漢方は疼痛発作を起こりにくくすると
考えられている。
(天野宏)





http://www.nikkeibp.co.jp/style/secondstage/kenkou/kanpou_070405.html























[舌が激しく痛む 唾液分泌低下や入れ歯も原因に]

(北海道新聞  2013年7月31日)(学んで治そう)


<Q>
77歳女性。
2年ほど前から舌がビリビリとしびれるように痛み出し、赤くはれ上がり、
ひび割れもしています。
特に果物などの酸味の強いものを食べた時に激しく痛みます。



<回答>
山下徹郎さん 恵佑会札幌病院歯科口腔外科(札幌市白石区)


舌に炎症が起き、痛みを伴う舌炎と思われます。
原因は、内科的要因と局所的要因があります。


内科的要因としては、鉄欠乏性貧血や栄養不足による亜鉛などの不足、
ビタミンB12などの欠乏、加齢による免疫機能の低下があります。

唾液は減っていませんか。
唾液分泌低下といい、舌の表面が乾燥し、亀裂を生じ、細菌やカビの一種で
あるカンジダが繁殖して痛みが生じて赤くはれることもあります。
果物を食べた際の痛みはこれが原因でしょう。
唾液分泌低下は、高血圧や糖尿病の薬や、抗うつ剤の副作用、自己免疫疾患の
シェーグレン症候群、高齢者に多い口呼吸も原因となります。


局所的要因としては、虫歯、歯形に合わないかぶせもの、入れ歯などの異物が
刺激となります。


治療は、鉄欠乏症や亜鉛不足、ビタミン不足は薬で補充します。

唾液分泌低下は、まず食事の時によくかんで食べたり、水分を多く取って
血液の循環を良くしたりすることです。
ガムをかむことも効果があります。
さらに、ほかの病気で処方されている薬が唾液分泌を低下させる原因となって
いるようなら、担当医に薬の変更を相談することも一案です。


舌炎で来院するのは、50代以上の女性が目立ちます。
多くは原因が複数重なっており、痛みも大きいようです。
口腔外科の専門医を受診し、血液、細菌、唾液分泌の検査を受けたり、歯の
かぶせものなどが刺激となっていないかなどを診てもらったりして原因を
調べ、適切な治療を受けてください。





http://www.hokkaido-np.co.jp/cont/health_news_manande/























[あなたの処方せん:/27 頭痛/3 「群発」は注射や酸素吸入で治療]

(毎日新聞  2010年11月10日)


「右目の奥がえぐられるようなひどい痛み。悪化すると、右目だけ充血して
涙が出る」
さいたま市の自営業の男性(39)は毎年、夏の終わりごろになると、毎日の
ように激しい頭痛に襲われる。
痛みは明け方に起こることが多く、1日約2時間、1カ月半程度続くという。

今年9月に同市内の病院を受診し、「群発頭痛」と診断された。


群発頭痛は慢性頭痛の一種。
日本人の1,000人に1人程度が持つと推定され、患者は20~40代の男性が
中心だ。

発症の仕組みは未解明だが、何らかの原因で目の奥にある内頸動脈の血管が
拡張し、周囲の神経を刺激して痛みや涙などを引き起こすと考えられている。
季節の変わり目に発作が始まることが多い。

鈴木則宏・慶応大教授(神経内科)は「群発頭痛はじっとしていられない
ほどの激痛で、痛みを紛らわそうと頭を壁に打ち付ける人もいる。アルコール
は発作を誘発するので、特に発作期間中は控えた方がいい」と指摘する。


治療法は、痛みの神経伝達物質の放出を抑えるトリプタン系薬剤の注射
(保険適用あり)が最も効果的として推奨されている。
同薬剤の飲み薬や点鼻薬は片頭痛の治療にも使われる。

また、純度100%の酸素を医療用の大型ボンベで毎分7リットル、10~15分
吸入する「純酸素吸入法」も有効な対症療法だという。


日本頭痛学会の坂井文彦理事長(埼玉精神神経センター)は「群発頭痛は
あまり知られておらず、三叉神経痛と誤診されることが多い。頭痛に詳しい
医師に相談し、自分に合った治療法を選んだ方がいい」とアドバイスする。





http://mainichi.jp/life/health/news/20101110ddm013100172000c.html























[体の声を聴く  「ダンボの耳」は心の叫び]]

(読売新聞  2013年9月19日)


「左耳が(ディズニー映画に登場する子象の)“ダンボの耳”のようになって
いる」
そんな違和感を訴えて紹介されてきた中年女性Aさん。

数か所の耳鼻科を受診し、異常はありませんでした。


こんな訴えの患者さんは初めてです。
初診は内科的な診察を行いながら、体の症状の背後に潜む心理・社会面との
関係を聴いていきます。

私が指で左の首から肩にかけて押さえたその時、「今、ダンボの耳の様
です!」とAさん。
「Aさん、自分の手でそこを押さえてください。そこは何でしょう」
「神経? 骨? あ、筋肉!」
「そうです。どうしてこんなに凝っているのですか」
診察と会話を続け、次のことが分かりました。

半年前、一人息子が大学に入学した直後、夫が心筋梗塞で急死。
学費を工面するため、道路工事現場でトランシーバーを左の耳と肩に挟み、
交通整理の仕事を一日中していた。
それで強い筋肉痛になっていたのです。
夫の死を受け入れられず、仕事に没入することで悲しみに向き合うのを避けて
いたことも分かりました。

そのことを伝えると、突然、Aさんの顔がゆがみ、涙があふれてきたのです。
「“ダンボの耳”の原因が分かったでしょう。今日の初診で私の診療も終わりに
しましょうね」
Aさんはその意味を理解し、にっこりほほ笑んで診察室を後にしました。

診察室で症状を再現し、その原因を伝えながら、Aさんの苦しみを理解した
ことが最も大切でした。
体の声は心の声からの叫びだったのです。

後日、Aさんから手紙が届きました。
他の医療機関を受診することもなく良くなっていたそうです。


(清仁会洛西ニュータウン病院名誉院長・心療内科部長 中井吉英先生)




http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=84883