大島育宙著「なぜあなたの感想は ふつう なのか」の感想です

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映画サイトにレビューを投稿するときあれこれ悩みます。

芝居はよかったけど脚本がいまいちだったなぁとか、反対に、とにかく大満足! 圧倒された! スクリーンでこそ観るべき! と大絶賛なとき。

いずれの場合も「ふつう」の言葉が真っ先に浮かんで「この表現じゃないなぁ…もっとこう…」と逡巡します。しっくりくる言葉を見つけるのって難しい。


こんな僕の道標になりそうなのが本書でした。
・他人の感想を利用せよ
・自分だけの「警察」を見つけよう
・「軸」を持つ視聴法

などの、著者が実践しているノウハウを全11章で披露しています。

本書の主旨をざっくり言うといかにして自分の言葉をみつけるか」

「なんか良かった」「微妙だった」などのありふれた言葉じゃない自分なりの言葉を導き出す方法を、様々な切り口で紹介しています。

第2部の4章(168ページ)までは「ふむふむ……」と読み進めました。大島さんのやり方をすべて真似るのはハードル高いけど、つまめるところもあるなと。

しかし第3部「独自の視点を生み出すインプット術」からもっとハードルがあがってしまい、第2部までで盛り上がっていた「なんか出来そう」との高揚感がしぼんでしまった。

3部1章「『軸』を持つ視聴法」の見出しはこんなかんじ。
・串刺し視聴
・あらゆるドラマの1話目だけ観る
・「人」を決めて観る


このあたりまではなんとか出来そうでしたが、この後ぐっとハードルが上がります。
・読書会
・短歌会
・小説執筆会


これらは他人の意見や視点を学び相対的に自分の言葉を生み出す試みで、著者が実践しているものです。

この時点でお腹いっぱいになってしまった。

これはさすがに無理……

「こんな僕の道標になりそうなのが本書でした。」と「なりそう」とあえて書いたのは、こうした理由からでした。

独自の言葉を生み出すのはそんな簡単なことじゃないよ。そう、著者は伝えたいのかもしれない。
安易に本書に手を伸ばし、楽してノウハウを身につけようとした僕が浅はかだったのかもしれません。

似たテーマの本に三宅香帆さんの「『好き』を言語化する技術」があります。こちらは「推し」の素晴らしさを自分なりの言葉で表すためのノウハウ本です。とはいえ推しに限らず映画や小説にも応用できます。





三宅さんのアプローチは自分を深掘りしていく方向で、大島さんに比べてまだ手が届く範囲の手法を提案してくれるので、僕には三宅さんの方が向いているかな。

ただ二冊とも共通したテーマだし、書評家、レビュワーとして一目置かれるお二人なので、両方読むことで自分に馴染む方法が見つけられるかもしれません。

 

ちなみにこのブログでは、大島さんが提唱する「比較→抽出→ネーミング→検算」の「比較」を取り入れてみました。